安倍首相が連呼する「アビガン」、開発元は“首相のお友達”古森会長の富士フイルムの画像1
「アビガン錠」(写真:ロイター/アフロ)

 安倍晋三首相は4月7日の記者会見で、新型コロナウイルスへの効果が期待できる新型インフルエンザ治療薬「アビガン(ファビピラビル)」について、本人の希望や病院の倫理委員会の了承があれば使えるようにする、との考えを表明した。安倍首相はアビガンの副作用について触れながら、本人が希望する場合、「治験ではなく観察研究というかたちで使ってほしい」「120例に投与。病状が改善したと聞いている」と述べた。

 アビガンについては副作用に関する指摘も医療関係者の間では多い。アビガンと同成分の薬を患者に投与して有効性を確かめたとする論文が中国の科学誌に掲載されていたが、3日までに取り下げられたことも報じられている。取り下げられたのは、中国の南方科技大学などのチームの論文。

 開発元である富士フイルム富山化学は国内の研究を継続しており、軽症者向けの臨床研究を進める藤田医科大学は「引き続き夏をめどに効果の検証を進める」としている。

 富山化学の親会社、富士フイルムホールディングス(HD)の株価は4月6日、上場来高値の6420円を更新。それまでの上場来高値は2月25日の5890円だった。関係者によると、アビガンは第3相臨床試験をすでに開始している。被験者は新型コロナウイルスに感染した非重篤の20~74歳の患者で、期限は6月末。その後、データを解析し、有効性が確認できればコロナ治療薬として申請する、としている。政府からの要請を受け、富山化学は3月上旬に200万人分の増産に着手した。原材料をはじめとするサプライチェーンを強化している。

 アビガンの物質特許は日本では2024年まで有効だが、中国など海外ではすでに失効しており、アビガンの富士フイルムHDの業績への寄与は小さい。海外への輸出については日本政府と協議して決める。

政治銘柄化した富士フイルムとデンカ

 富士フイルムHDの株価は4月7日、急反落。終値は5829円。4月6日の高値6420円から591円安。6日の終値との比較でも337円安。カラ売りした投資家はかなり儲かった。4月8日の終値は5732円(97円安)。9日は一時、5485円まで下げた。6日の上場来高値から935円の下げ。1000円近い下げを記録した。

 ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大学特別栄誉教授が開発した抗寄生虫薬「イベルメクチン」が新型コロナウイルスの抑制に効果があることが判明した。「イベルメクチン」は米製薬会社メルクと共同研究して開発した、寄生虫の感染によってアフリカやアジアで広がる熱帯病の特効薬の一つである。豪州にあるモナシュ大学の研究チームが「試験管内ウイルスにイベルメクチンを投与したところ、48時間以内にウイルスが増殖しなくなった」と発表した。同大学の研究チームは新型コロナの治療薬として安全であるかどうかを確認するための臨床試験を急ぐ方針だ。

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