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浜田和幸「日本人のサバイバルのために」

【コロナ】米国、予備役兵100万人を緊急応召…第3次世界大戦の初戦と認識し戦時体制

文=浜田和幸/国際政治経済学者
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 それだけ対応の困難さが想定されるパンデミックというわけだ。アメリカ国内でも相当数の死者が避けられず、経済も壊滅的な被害を受け、社会不安から犯罪も急増するとの指摘に、さすがのトランプ大統領も緊急事態との認識に傾いたと思われる。アメリカ国内の感染者数は火元の中国を抜いてしまった。

 デトロイトの3大自動車メーカーもアメリカ国内の工場はすべて閉鎖に追い込まれた。世界最大の航空機メーカーのボーイングは倒産の危機に瀕しており、政府の救済がなくては立ちいかない模様である。要は、世界最大の経済大国が奈落の底に転落する瀬戸際に追い込まれたといっても過言ではない。

 追い詰められたトランプ大統領は「諸悪の根源は中国だ。発生の実態を隠蔽し、世界への拡散を食い止める機会が失われた」と、責任転嫁に走っている。しかし、いくら中国を非難しても目の前の感染者の爆発的増加は食い止められない。まさに最高指導者の意思と決断が求められているわけだ。

 日本では首相が「全家庭に布製のマスク2枚を郵送する」とか「収入減の世帯に30万円の現金支給を検討する」など、緊急時の対応としてはあまりにタイミングを逸した政策に国民からの信頼が失われる一方である。

軍の上級幹部を地下の核シェルター基地へ移動

 それとは対照的な政策を打ち出したのがアメリカである。第一、トランプ大統領は予備役の緊急召集を発令した。戦場で負傷者の治療や看護に当たった経験を持つ予備役兵100万人の戦線復帰を命じたのである。米軍の最高指揮者である大統領による非常事態対応の最たるものといえよう。

 感染者が全米最大となっているニューヨーク州であるが、米軍の病院船がニューヨーク埠頭に接岸し、患者の受け入れと治療を始めた。また、死亡する患者が急増しているため、その埋葬作業を服役中の囚人に割り当て、ニューヨーク湾内の島に墓地を急ピッチで建設させている。こうした作業に当たる囚人に感染するリスクが高いため、特別手当が支給される。従来であれば、時給1ドルであったが、今回は時給6ドルという破格の扱いである。

 第2、国防総省ではエスパー長官の指示で、軍の上級幹部はコロラド州にある地下の核シェルター基地への移動が行われた。もともと冷戦時代に旧ソ連による核攻撃を想定し建設された地下の巨大な軍事基地である。

 実は、米海軍が誇る原子力空母セオドア・ルーズベルト号は西太平洋で訓練中であったが、乗員100名以上の感染が発生し、艦長からSOSが発せられるという緊急事態に。日本や韓国にある米軍基地でも感染者が日増しに増加している。このままではアメリカの軍事戦略や安全保障にも重大な危機が迫るという認識から、米軍関係者の感染情報は外部への流出が禁止された。

 原子力空母ルーズベルトの艦長は「乗員の感染情報を外部に漏らした」との理由で、解任という処罰を受けてしまった。ことほど左様に、米軍は神経を尖らせており、幹部をコロラドの地下シェルターに結集し、そこから24時間体制で危機管理を行うという決断を下したのである。

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