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榎本博明「人と社会の役に立つ心理学」

ミス連発&仕事が粗い超ポジティブ人間、いつも不安げで仕事ができる成功者

文=榎本博明/MP人間科学研究所代表、心理学博士
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 だが、実際には、このような心理傾向をもつ人は、成功に最も近い位置にいる。防衛的悲観主義者が成績が良いことは、心理学の多くの研究によって実証されている。

 悲観的だからこそ慎重になる。用意周到に準備する。何とかうまくやらないとと必死になる。起こりうるあらゆる可能性を想定し、そのときの対処法を検討する。つまり、この先の結果に対して不安が強く、楽観的になれないことが、成績の良さにつながっているのである。

 ネガティブだからうまくいく。いくら成果を出してもポジティブになりきれないため、うまくいく。その背景には、そうした心理メカニズムが関係しているのである。逆に、似たようなミスを繰り返す人物や、準備不足で失敗する人物は、楽観的すぎて慎重さが足りないのだ。

 ここから言えるのは、あまりポジティブになりすぎるのは危険だということ。一般に仕事のできる人はポジティブで不安がないと思われがちだが、じつは逆だということ。仕事のできない人のほうが不安が少ない。物事を深く考えないから不安にならず、楽観的でいられる。その結果、準備不足のせいで失敗したりする。ものごとを深く受け止めないため、経験から学ぶことができず、似たような失敗を繰り返す。

 ポジティブ信仰が世の中に広まっているが、そのせいで仕事力が高まらない人が意外に多いのではないか。仕事力の向上のためにも、「不安だからうまくいく」「できる人ほど不安が強い」ということを忘れないようにしたい。

(文=榎本博明/MP人間科学研究所代表、心理学博士)

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