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以前、ゲーム会社の開発者の方の講演で「不便さはコンテンツのおもしろさを阻害する(不便なら、いくらおもしろかろうが使ってもらえない)」という恐ろしい発言があったが、私の心境の変化からも、やはり「便利」は強い。コンテンツのおもしろさとまったく関係のないところが決め手になる現実がある。
「いい内容をつくる」だけではダメなのだ。やっぱり書籍は紙でないと、という「気分」など「便利さ」の前では脆い。そして、一度電子の便利さに慣れた人が「やっぱり紙で」に戻る状況は、自分の場合を踏まえてもちょっと考えにくい。「便利」から「不便」に戻るには、相当な動機が必要だ。そうなると、書店が置かれた状況はますます厳しい。
(文=石徹白未亜/ライター)
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