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親会社・前田建設、子会社・前田道路へ敵対的TOBで巨額損失…“子”が捨て身の焦土作戦

文=編集部
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 NIPPOは石油精製最大手JXTGホールディングス傘下の道路舗装業界最大手。空港や高速道路など官庁の大型工事に強みを持つ。前田道路は業界2位で民間の小型工事を得意とする。道路舗装の1位のNIPPOと組むことで、前田建設を牽制する狙いがあった。だが、前田道路の抵抗むなしくTOBは成立した。前田建設は前田道路への議決権比率を24.71%から51.29%に高め、同社を連結子会社にした。

前田建設に巨額の減損損失の懸念

 今後は6月に予定されている前田道路の定時株主総会での役員人事が焦点となる。特別配当は前田建設にとって頭の痛い問題だ。前田建設は130億円程度を特別配当として受け取る一方、連結ベースで残りの400億円余が外部に流出することになる。

 特別配当により前田道路の純資産が535億円減るため、前田道路の企業価値は確実に目減りする。臨時株主総会で特別配当が可決した4月14日の前田道路の株価の終値は2014円(1円安)。一時、1980円(35円安)まで下げた。終値との比較で取得単価3950円のほぼ半値の水準である。前田建設はTOBに861億円を費やしており、巨額の減損損失を計上する可能性がある。

 前田建設の20年3月期の連結決算の売上高は前期比3.1%減の4770億円、営業利益は11.8%減の317億円、純利益は6.5%増の255億円の見込み。コロナの影響は織り込んでいない。前田道路の取得株式を減損処理して特別損失として計上するとなると、業績予想の下方修正もあり得る。

 前田建設が強制的に前田道路を子会社にしたことは、実に高い買い物になったようだ。東京マーケット(株式市場)は正直である。4月14日の前田建設の株価の終値は837円(17円安)。年初来高値(1月23日の1210円)より31%も安い。

(文=編集部)

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