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【コロナ】JALとANA、事実上の休業状態に…航空業界、未曾有の経営危機に直面

文=真壁昭夫/法政大学大学院教授
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 この状況下、企業などは対応が可能な段階で、できるだけの対策を徹底しなければならない。足許、先行きの市況反転を念頭に置いて戦略を練ることよりも、これまでの投資戦略や資金調達などの計画を見直し、守りを固めることの重要性が高まっている。ANAは事業拡大路線を修正し始めた。同社はハワイ路線のシェア拡大に向けて投入を目指していた仏エアバス社のA380の受領を半年程度先延ばしするという。また、ANAは国内7行から約1000億円の借入を検討し、政府系金融機関からの資金調達も目指されていると報じられている。

 リーマンショック後、ANAは自己資本を積み増し、財務体質を改善させてきた。ある程度の収益の下ぶれに耐えられる体制はできてはいると考えられる。ただ、新型コロナウイルスの感染の影響がどう推移するか先行きは読めない。状況によっては、金融機関の業績が悪化し、企業の資金調達の不確実性が高まる可能性がある。需要の落ち込みが続けば、自助努力での対応もかなり難しくなるかもしれない。

 こうした展開を念頭に、ANAは環境変化への対応を進めようとしている。航空業界はグローバル化の進展とともに業況を拡大させてきた。今後、同社の事業・経営体制がどう変化するかは、新型コロナウイルスが国内外の経済・金融市場に与える影響を考える際の重要な視座となろう。

(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)

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