回転ずしチェーン各社に大打撃

 かっぱ寿司も新型コロナに復活を妨げられている。くら寿司と同様に、最近は不振から脱しつつあった。 かっぱ寿司は「すしがまずい」とのイメージから客離れが起きていた。既存店客数は19年3月期まで5期連続マイナスで、それに合わせて既存店売上高も長らく通期ベースでマイナスが続いていた。それが、ようやく19年3月期に既存店売上高が0.1%増と、わずかながらもプラスを確保することができた。

 すしの品質向上が功を奏した。すしネタの加工を、従来は工場で一括して行っていたのを店舗で行うように改めたほか、注文を受けてから調理して新鮮なすしを提供するフルオーダー型の店舗への転換を進め、すしの品質向上を図った。こうしたことが功を奏し、客足が徐々に回復するようになった。

 20年3月期は特に好調だった。既存店売上高は今年2月までの11カ月間のうち10カ月が前年を上回っていた。プラス幅も大きく、増加率が5%以上の月が5カ月もあった。こうしたことから、通期での大幅プラスが予想されていた。だが、新型コロナの影響で3月は23.1%減と大幅マイナスになった。これが影響し、通期は0.6%増の微増にとどまっている。

 新型コロナは、回転ずしチェーン王者「スシロー」にも大打撃を与えている。運営会社のスシローグローバルホールディングスは、3月の既存店売上高が13.7%減だったと発表した。2月まで28 カ月連続で前年を上回っていたが、連続記録はストップしてしまった。増加率は高い水準で推移しており、19年11月が10.0%、12月が7.0%、20年1月が7.0%、2月が12.0%と大幅増収を達成していた。しかし、ここにきて一気に沈んでしまった。

 元気寿司も好調だった業績に急ブレーキがかかっている。ここ数年の既存店売上高はプラスの月が大半だった。今年1月は6.9%増、2月が10.0%増と大きく伸びていた。ところが、3月は17.4%減と、大きく落ち込んでしまった。

 このように、大手回転ずしチェーンは新型コロナの影響で3月の売り上げが大きく落ち込んでいる。もちろん、各チェーンとも対策は講じてきた。

 はま寿司は新型コロナの感染拡大を受け、3月3日から回転レーンでの提供を中止し、タッチパネルで注文を受けた商品だけ提供する方式に切り替えた。その後、かっぱ寿司や元気寿司でも同様の対応を講じている。こうすることで、利用客に安全性をアピールしてきた。各社ともなんらかの対策を打ち出してはいるが、大きな流れを変えるには至ってない。

 外食店はどこも厳しい状況にあり、回転ずしチェーンも例外ではない。ただ、回転ずしチェーンは、まだマシなほうだろう。3月の既存店売上高で20%以上落ち込んだ外食チェーンが少なくないなか、既存店売上高を発表した前述の4チェーンのうち3チェーンは10%台の減少にとどまっている。それは、この4チェーンは固定客が多い郊外店が大半を占めているためだ。とはいえ、厳しい状況に変わりはない。こうした難局に各社がどう対処するのか、視線が集まる。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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