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コロナ禍でさらに拡大するYouTubeにアウトロー作家が参入するワケ【沖田臥竜コラム】

文=沖田臥竜/作家
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仲間たちとYouTubeの打ち合わせ(筆者事務所にて)

 全都道府県を対象に発令されている緊急事態宣言の適用期間は5月6日までとなっている。ただ、いまだ感染拡大が止まらないという状況を鑑みると、同日に終わるというのは希望的観測といえるだろう。そして、外出自粛や店舗の休業がさらに伸び続けた場合、経済がどこまで悪化するかはまったく見えない。

 どの業種のビジネスも大ダメージを受けている。ただ、そんな中、拡大し続けているマーケットがある。YouTubeだ。昨今、多くの有名人がYouTuberに転身し、ただでさえ利用者が増えているところに、コロナ問題で外出できないという環境的要因も加わったのだ。

 自分は10年以上前からYouTubeの熱心な視聴者だった。当時は、一般人が短い動画を投稿するケースが圧倒的に多く、長くでも15分ほど。しかも、携帯電話のスペックや利用する通信インフラ次第では、それをノンストップで見ることすらできないこともあった。その頃から観ていたので、現在YouTuberの先駆者として大人気を誇るヒカキンのことも、まだ駆け出しの頃から認知していたし、「YouTubeに広告費が流入するようになってきたので、お金を稼げるようになるのではないか」と言われ出した時期も目の当たりにしてきた。

 実際、YouTubeで収入が得られるようになると、それを目的に参入者も一気に増え、コンテンツも多様化していき、YouTubeへのニーズは急激に高まっていく。ただ、そうした中で一時は危うい時期があったのは確かだろう。YouTuberたちがアクセス数を稼ぐために、より過激な投稿をし始めたのだ。そのため、運営サイドから規制が入り、その規制がマーケットの拡大を萎縮させると思われたが、社会的インフラともなりつつあるYouTubeという存在は、それすらも軽く乗り越えてみせたのであった。

 現在、YouTubeは一定の規制の中でも、娯楽だけでなく、教育や実用情報、そして報道まで、幅広いコンテンツを提供するインフラとなった。コロナ問題に直面し、その存在感はさらに増したといえる。

 そんな中で、手前味噌になってしまうが、自分もYouTubeを始めた。これまでも「もっと早く始めていれば、稼げていただろうな」と思うことは何度もあった。ただ、同時に自分が動画に出ることには抵抗があった。やりたくなかったのだ。

 ただ、この間、自分の作家活動や情報収集力が認められ、メディアに露出することが多くなり、否が応でも顔を晒して語ることに慣れてしまった。これとて、今も決して好きでやっているわけでない。自分が語ること、自分の持つ情報や経験が社会の役に立ち、それに対して、生活の糧となる、いくばくかの謝礼をいただけるからやっているのだ。社会に機能を提供し、その見返りで生活する。人間として、当然の生き方である。

 今回のコロナ問題を前に、自分にとってYouTubeはその舞台になると思えた。国内でのコロナ感染拡大が深刻化し、緊急事態宣言が出される数日前から、自分はTwitterを通して、官邸方面やマスコミ内部から漏れてくる情報を発信してきた。その情報をもとに、周囲の人々から受ける不安や悩みへの相談にも応じてきた。

 自分は“その道”で生きてきたときから今日まで、存在意義があるとしたら「いざという時、沖田なら頼れる」と周囲の誰しもに思ってもらえていることだと考えてきた。逆に言えば、いざという時以外は用がない存在ともいえる。寂しいものだが、自分もいざという時など来ないほうがいいと思っている。だが来てしまった。コロナ問題に関連して、毎日のように様々な相談ごとが寄せられる。だが、とてもじゃないが、普通にやっていたら、一人ひとりの不安や悩みに対応することはできない。

 YouTubeをやるなら今しかない。このプラットファームを通じて、一人でも多くの人に情報発信し、その価値が認められ、収入も得られれば、普段わたしの活動を支えてくれる人々にも還元できる。私は塀の中で、ノートにただ殴り書きしていた言葉を十数年かけて、作家として金に変えてみせた。それを足掛かりにネットワークを構築し、情報収集という分野でも、今、テレビでユルいことを言っているジャーナリストやコメンテーターには負けることはないという自負もある。

 YouTubeのチャンネル名は「S倶楽部」。攻め続けることを意味している。内容は攻めることなく、冷静沈着に私が得た情報や見解を伝えていきたいが、他人にはできないことをするという姿勢だけは常に攻め続けていくつもりだ。完全手作りからのスタートだが、アウトロー上がりの作家であるYouTuberが、その世界でどこまで行けるのか、面白がってみていただければ幸いである。
(文=沖田臥竜/作家)

●チャンネル「S倶楽部」

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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