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牧野知弘「ニッポンの不動産の難点」

晴海「HARUMI FRUG」が大騒ぎ…子供の学校入学問題や住宅ローン金利上昇懸念

文=牧野知弘/オラガ総研代表取締役
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 つまりこれからのオフィスマーケットは混乱期を迎え、テナントの奪い合いの時代になるものと予測される。またこのような働き方の変革は通勤を前提とした住宅選びから、住む街と働く街が一体化することで、住宅選びにも大きな影響をもたらすことになるであろう。

3.オペレーショナルアセットのリセット(ホテル、商業施設)

 今回のコロナ禍で最も深刻な影響を被ったのがホテルや商業施設といったオペレーショナルアセットである。インバウンド客の消滅は、好景気を背景に割高な建築費をハイレバレッジな資金計画で無理やり建設しインバウンド客で持たせてきたホテルや簡易宿所、民泊などの業者の一部退場をうながすことになりそうだ。また商業施設でも同様にインバウンド目当てに高額商品を取り扱ってきた百貨店など、一部の大型商業施設を苦境に追い込むことになるだろう。

 だが大きな流れとして世界中の人々が行き交うインバウンド需要は、今回大きな打撃を被ったものの今後の需要の伸長は変わらないと考える。むしろ今回の騒動で一部「無理筋」で進出してきた有象無象が退場し、業界として再出発するには良い機会になったともいえるかもしれない。ただし平時に戻るまでには多少時間がかかりそうだ。2年から3年かけて戻していくことになるだろう。

 これまで制圧できなかった疫病は存在しない。人類の英知を結集すればやがてコロナ禍も克服されることになるだろう。だが、世の中の「雰囲気」といったものはこうした大規模な災害や不幸で一瞬にして変わるものだということはよく頭に入れておいたほうがよい。なんとなく大丈夫だろう、という不確かな確信はやがて取り返しもつかない事態に陥ったとき、うろたえるだけでは成功は覚束ない。

 むしろ不動産は下降局面に入ったところが勝負のしどころであることは、不動産投資家の間での常套句である。慎重にリスクを嗅ぎ分けて勝負する。これからこそが知恵の勝負となる。これからの不動産マーケットの動向に目が離せない。

(文=牧野知弘/オラガ総研代表取締役)

●牧野知弘(まきの・ともひろ)

オラガ総研代表取締役。金融・経営コンサルティング、不動産運用から証券化まで、幅広いキャリアを持つ。 また、三井ガーデンホテルにおいてホテルの企画・運営にも関わり、経営改善、リノベーション事業、コスト削減等を実践。ホテル事業を不動産運用の一環と位置付け、「不動産の中で最も運用の難しい事業のひとつ」であるホテル事業を、その根本から見直し、複眼的視点でクライアントの悩みに応える。

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