NEW
片田珠美「精神科女医のたわごと」

有名人のコロナ感染報道、国民の「汚染恐怖・洗浄強迫」に拍車…釣銭手渡しの店員に暴行も

文=片田珠美/精神科医

 困ったことに、有名人の新型コロナウイルス感染が報じられるたびに「汚染恐怖」と「洗浄強迫」に拍車がかかる。たとえば、感染が判明したタレントの石田純一さんは、「除菌99.99%くらいのやつ(除菌スプレー)を持ち歩いて顔に吹きかけたり」などとコメントしていたらしいが、ある患者は「それだけやっていても感染したのだから・・・」と不安になり、さらに手洗いを繰り返すようになった。

 現在、「汚染恐怖」や「疾病恐怖」による「洗浄強迫」が認められるのは、「強迫性障害」の患者だけではない。広く国民の間に広がっており、「一億総強迫社会」の様相を呈しているようにも見える。その根底には強い恐怖と不安が潜んでおり、それを払拭するために「強迫行為」を繰り返さずにはいられないのだろう。

 私自身、恐怖と不安が全然ないわけではなく、これまでよりも頻繁に手を洗うようになった。だから、手洗いをやめろと主張したいのではない。

 ただ、テレビのワイドショーをはじめとする一部メディアは恐怖と不安を煽っているようにしか見えない。こうしたメディアが日本人全体の強迫症状を悪化させていることを認識し、できるだけ距離を置かなければならない。「過ぎたるは及ばざるがごとし」という言葉を肝に銘じるべきである。

(文=片田珠美/精神科医)

情報提供はこちら

RANKING

5:30更新
  • 連載
  • ビジネス
  • 総合