1997年4月にフジテレビ系にて放送された『ナースのお仕事スペシャル』。コメディエンヌとしての観月ありさの魅力が遺憾なく発揮された作品である。松下由樹演じる先輩看護師役との「あーさーくーらー!」「せーんぱーい!」のやり取りは流行語ともなった。(画像は、同作のDVD版ジャケットより)

 NHKは4月1日に連続テレビ小説『エール』、大河ドラマ『麒麟がくる』の収録を当面、見合わせることを発表。“当面”とはいっても、世の中の状況と照らし合わせると、たとえば5月以降になればさっそく撮影が再開される……ということになるとはとても思えない。この2作品はすでに放送が始まっており、放送期間もそれぞれ半年、1年と長く、出演者も多い。加えて撮影はスタジオが中心。先行きがまったく見えないというのが実際のところだろう。

 民放でも、ある程度は撮影が進んでいたであろう4月からの新ドラマは軒並み放送延期となった。7年ぶりの続編制作となった堺雅人主演の『半沢直樹』(TBS系)や、13年ぶりに復活となるはずだった篠原涼子主演の『ハケンの品格』(日本テレビ系)など話題作もしかりで、テレビ局は過去の名作ドラマの再放送などで急場をしのいでいる。

 この、通常ではめったにないゴールデンタイムでのドラマの再放送は、意外な反響を呼んだケースも。Sexy Zoneの中島健人とKing & Princeの平野紫耀がW主演する『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系)の放送予定枠には、亀梨和也 (KAT-TUN)、山下智久(当時NEWS)、堀北真希らが出演の『野ブタ。をプロデュース』(2005年)が放送された。これは10%を超える視聴率を稼ぎ、SNSで話題とする人が目立ったのである。

石原さとみの医療ドラマは“絶望的”とも

 残念ながらコロナ禍が簡単に収束する様子はなく、撮影を通常モードで再開できる状況にはすぐにはならないだろう。そのため、すでに撮影が終了しているものを除けば、ペンディングになっている作品のほとんどが、放送の無期延期か、大幅縮小、変更、企画の中止という選択肢を選ばざるを得なくなる。

 特に難しいと考えられているのが、4月9日にスタート予定だった石原さとみ主演の『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』(フジテレビ系)だ。このドラマは病院内での撮影が前提になっていただけに、この状況下で、予定されていた内容、規模での撮影再開は不可能に近いのだ。

 このように、非常事態が続いている日本のテレビドラマ界の現状は、あの記録にも大きく影響してくるだろう。そう、女優・観月ありさの「●年連続、連続ドラマ主演記録」である。

「30年連続主演」はさすがに困難か

 観月ありさは、1992年にボクたちのドラマシリーズ『放課後』(フジテレビ系)に主演して以来、大人気を博した『ナースのお仕事シリーズ』(1996〜2002年、フジテレビ系)など、毎年なんらかの連続ドラマに主演し続けていた。そして、2010年に、『天使のわけまえ』(NHK)に主演することで、「19年間連続ドラマ主演」を達成しギネス記録にも認定された。

 確かに、それだけの長い間、第一線で活躍し続けるというのは簡単に真似できることではなく、誇るべきレコードであることは間違いないだろう。そして観月はその後も、毎年最低一本の連続ドラマへの主演を続け、記録を更新していくのだが、その過程で徐々にこの記録は、特にインターネット上でツッコミの対象になっていく。なぜなら、かつてのようなヒット作が見られなくなり、それまで彼女のホームグラウンドでドラマが強いフジテレビの作品は減少。視聴率があまり話題にならないNHKの作品が増え、そのうち地上波ではなく、BSのドラマも、この記録のカウント対象に含まれるようになったからである。

 そして昨年は、年末ギリギリに『アロハ・ソムリエ』(フジテレビ系)という深夜の短期ドラマ(4夜連続)に主演することで「28年間連続連ドラ主演!」と報道されたため、いよいよ無理矢理感がマックスに。一部ネット上では、「記録更新のためだけのドラマでは」などと揶揄される事態ともなったのである。

 実はこの観月の記録、2020年はすでに更新されている。あまり話題にはならなかったが、2018年にNHK BSプレミアムで放送された『捜査会議はリビングで!』の続編、『捜査会議はリビングで おかわり!』が、2月2日から3月22日まで放送されていたのである。これで、彼女の連ドラ主演記録は29年連続となった。

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