コロナ禍で外食業界が壊滅のなか、マックとモスだけが大健闘している“不思議現象”の画像1
「マクドナルド HP」より

 新型コロナウイルス感染拡大に備える政府の危機感覚の鈍さは目を覆うばかりだ。緊急事態宣言をめぐり、休業を要請する事業者の線引きがあいまいだったため百貨店や外食業界などは振り回された。

 東京都は6日、休業要請の対象に百貨店や居酒屋を含む案をまとめていた。だが、政府は緊急事態宣言後2週間は自粛要請の見送りを求め、即時実施を図る都と調整が難航した。あえて休業を決断した百貨店の首脳を呼び出して非難するなど、耳を疑うようなことばかり。質屋、パチンコホールなどは自民党議員の強い要望を受けて対象外にした、といった話が永田町を闊歩している。安倍政権に、あまりに危機感がなさすぎる。

 都は4月10日、休業要請する業種や施設を発表した。国の意向を踏まえ、居酒屋を含む飲食店や百貨店の生活必需品売り場は休業対象から外したが、営業時間の短縮を求めた。大庄やワタミ、コロワイドなど外食大手は9日までに都の案に沿って、臨時休業を決めていた。店内飲食に加えて持ち帰り料理も手掛ける王将フードサービス吉野家ホールディングス(HD)も、臨時休業や時間短縮を決めていた。

 都の要請が営業時間短縮と当初と変わったため、今後の対応を検討する必要があり、反発や戸惑いが広がった。冷蔵庫の食材をすでに処分しており、再開しようにも物流の調整・確保ができないからだ。居酒屋は通常、午後5時頃に店を開け、深夜まで営業してはじめて成り立つ商売だ。午後8時までで営業を終了するくらいなら、休業したほうがましという店も出てくるだろう。

 串カツ田中は4月13日から73店舗で時短営業を再開した。テイクアウト商品を強化する。“三密”状態になる懸念がある41店舗は休業を延長する。

ファミリーレストランの落ち込みが大きい

 コロナ影響による既存店売上の前年同月割れは、インバウンド(訪日外国人)需要が剥げ落ちた百貨店が先陣を切ったが、2月の外食業界は前年割れをする企業が少なかった。潮目が変わったのは2月下旬。政府が大規模イベントの中止に続き、全国小中学校の休校措置を要請したのは2月27日の木曜日。直後の週末から客数はガクっと減った。

 外出自粛要請を受け、3月の外食企業の既存店売上高は、軒並み前年同月割れに陥った。落ち込み幅は業態によって濃淡がある。

 ファミリーレストランは落ち込みが大きかった。最大手のすかいらーくHDの3月の既存店売上高は前年同月比23.9%減。宅配や持ち帰りは好調だが、3月末に約1500店の営業時間を短縮したことが響いた。サイゼリヤは21.5%減、ロイヤルHDも20.3%減と過去最悪の下落幅となった。

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