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ここのところ順調に飛ばしてきていた王将フードサービスも3月の既存店売上高は3.5%減。テイクアウト・デリバリーが売り上げを下支えしたが、それでも8カ月ぶりのマイナス成長となった。幸楽苑HDは21.6%減、ハイディ日高は20.0%減った。
ハンバーガー2社が大健闘
逆風が吹き付けるなか、ファーストフードは健闘した。牛丼チェーン「すき家」を運営するゼンショーHDは7.8%減、吉野家HDも1.8%減と下落率は小幅。日本マクドナルドHDは0.1%減った。前年実績を下回ったのは52カ月ぶり。客数は7.7%減で大幅に落ち込んだ。特に東京都や大阪府などが外出自粛要請した3月下旬以降の客足に影響が出た。
一方で、マックの客単価は8.3%増。3月上旬の小中学校、高校の休校で家族連れなどグループでの利用が目立ったためだ。濃厚接触を避けたい消費者の持ち帰りやドライブスルーの伸びが客単価を押し上げた。モスフードサービスは0.9%増だ。デリバリー需要を取り込んだハンバーガー2社が大健闘した。
非常事態宣言を受け、外食業界は総崩れ。4月は歴史的に落ち込みを記録することになるとみられている。コロナが収束に向かい人出が回復しないかぎり、外食の浮上は難しい。
【外食の3月の既存店売上高 前年同月比増減率、%】
企業名(主力ブランド名) 2月 3月
<ファーストフード>
・日本マクドナルドHD(マクドナルド) 14.7 ▲0.1
・モスフードサービス(モスバーガー) 15.9 0.9
・ゼンショーHD(すき家) 10.0 ▲7.8
・吉野家HD(吉野家) ▲2.1 ▲1.8
<レストラン・ファミレス>
・すかいらーくHD(※ガスト等) ▲0.4 ▲23.9
・ロイヤルHD(ロイヤルホスト) 3.9 ▲20.3
・サイゼリヤ(サイゼリヤ) 6.6 ▲21.5
・ジョイフル(ジョイフル) 3.1 ▲16.1
・JFLAHD(牛角) 14.4 ▲15.8
・木曽路(木曽路) ▲1.5 ▲42.4
・ペッパーフードサービス(いきなり!ステーキ) ▲38.7 (未開示)
<麺類・定食>
・幸楽苑HD(※幸楽苑等) ▲6.1 ▲21.6
・ハイディ日高(※日高屋等) 4.7 ▲20.0
・王将フードサービス(餃子の王将) 9.9 ▲3.5
・トリドールHD(丸亀製麺) 8.6 ▲13.5
・大戸屋HD(大戸屋ごはん処) ▲3.2 ▲20.7
・リンガーハット(リンガーハット) ▲2.8 ▲7.4
・壱番屋(カレーハウスCoCo壱番屋) 2.5 ▲9.8
<回転ずし>
・スシローグローバルHD(スシロー) 12.0 ▲13.7
・カッパ・クリエイト(かっぱ寿司) 8.0 ▲28.2
・くら寿司(※無添くら寿司等) 12.2 ▲15.5
<居酒屋>
・鳥貴族(鳥貴族) 6.0 ▲16.1
・ワタミ(※ミライザカ等) 1.1 ▲40.4
・コロワイド(※甘太郎等) 3.4 ▲27.6
・大庄(※庄や等) ▲4.0 ▲41.7
・串カツ田中HD(串カツ田中) 2.9 ▲22.6
<喫茶>
・ドトール・日レスHD(ドトールコーヒーショップ)▲3.5 (未開示)
・コメダHD(コメダ珈琲店) 12.9 ▲9.5
(増減率は主力ブランド、※印は全ブランド合計の増減率、HDはホールディングスの略、▲はマイナス)
(文=編集部)