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窓を開けて小まめに換気も
さて、私の家は2000年に完成したマンションなので、24時間換気システムは設置されていない。換気を適切に行うには、「給気口」となる窓を開けるか、換気口を開ける(我が家の場合は手でクルリとまわす古いタイプ)かしたうえで、「排気口」となる窓を開けるか、換気扇をつけるかする必要がある。

2方向の窓を開けて風を通すのが最も換気効率がよいが、外気が一気に入ると冷暖房の効率が下がるので、換気口を開けたうえで浴室暖房乾燥機の換気機能を長時間使う方法も取っている。
住宅で上手に換気する方法について、ダイキン工業株式会社がWEBで公開している。
そこでも、24時間換気システムが設置されている場合は、それを正しく使うことを促している。加えて、窓を開けて換気をすることも推奨している。短時間でも回数を多くして、こまめに換気するのが効率的だということだ。
さらに、空気の通り道のつくり方について詳しく説明している。そのポイントを紹介しよう。
・対角線上にある窓を開ける
空気は近道をするものなので、近くの窓同士を開けるとその範囲でしか空気が循環しないため、2カ所の窓を対角線上に開けるのがよい。なお、部屋に窓が2カ所ない場合は、扇風機などを使って風を動かしたり、住宅全体で風を通したりするとよい。
・給気は小さく、排気は大きく窓を開ける
空気は小さい隙間から勢いよく入って大きな隙間から出ていきやすいので、窓の開け方にも工夫が必要。
・キッチンの換気扇を活用する
住宅の換気扇の中でも排気量が特に大きいのがキッチンの換気扇なので、上手に活用するとよい。
ほかにも換気に役立つ情報が掲載されているので、窓を開けて効率よく換気したい場合は参考にするとよいだろう。
新型コロナウイルス対策は換気だけではない
住宅の場合は、商業施設や公共交通機関などと違って、不特定多数の人が出入りするわけではない。商業施設などでは30分に1回は窓を開けることが推奨されているが、住宅の中にいるのは家族にほぼ限られるので、それほど換気に神経質になる必要はないだろう。
24時間換気システムを正しく使うことや、窓を開けて適宜な換気をすることを心がければよいと思う。ただし、家族に新型コロナウイルスの感染が疑われる場合には、より積極的に換気する必要がある。
とはいえ、換気はあくまで感染症対策のひとつにすぎない。「こまめな手洗いと除菌」がより重要な感染症対策であることを忘れないでほしい。
(文=山本久美子/住宅ジャーナリスト)
●山本久美子(やまもとくみこ)
早稲田大学卒業。リクルートにて、「週刊住宅情報」「都心に住む」などの副編集長を歴任。現在は、住宅メディアへの執筆やセミナーなどの講演にて活躍中。「SUUMOジャーナル」「東洋経済オンライン」「All About(最新住宅キーワードガイド)」などのサイトで連載記事を執筆。宅地建物取引士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナー等の資格を持つ。