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パナソニック津賀社長、異例の長期続投…目的は「“裏切られた”テスラ事業の撤退」だ

文=編集部
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 津賀氏が成長戦略の柱に位置付けたテスラ事業は失敗に終わった。自分の手でテスラ事業の幕を引く。これが津賀氏が続投した隠された本当の理由だ。

役員で唯一の昇格は片山栄一執行役員だけ

 社長以下、16人の執行役員の顔触れは変わらない。唯一、執行役員から常務執行役員に昇格したのは片山栄一CSO(最高戦略責任者)。片山氏は16年1月、メリルリンチ日本証券のアナリストからパナソニックの執行役員に転じた。M&A(合併・買収)戦略の立案をするが、これといった華々しい成果を挙げてはいない。

 片山氏は17年4月に自転車事業を手掛ける子会社、パナソニックサイクルテックの社長を兼務。高価格帯のスポーツ用の開発を進めるなど自転車事業の強化に取り組んできた。それでも年商は300億円程度。7兆円規模のパナソニック全体から見れば貢献度は小さい。リストラで手腕を発揮したことが常務執行役員への昇格につながったとみられているが、「成長の柱をつくれないパナソニックの苦い状況を象徴するような人事」(関係者)。成長戦略策定が片山氏の本来の使命のはずだ。

 片山氏は常務執行役員には昇格した。とはいえ、パナソニックは片山氏を4年前に招いた当時と変わらぬ経営課題を抱えたままなのである。

“ポスト津賀”の本命は本間哲朗か

「権力欲が強いタイプではない津賀氏が社長を続投したのは、後継者不在だから、と聞いた。今辞めたら、パナソニックを小さくして辞めた男になってしまう。後継者は2人いたが、どちらも不祥事でコケた。今はその下の世代を育てている」(外資系証券会社のアナリスト)

“ポスト津賀”の本命は本間哲朗専務執行役員(中国・アジア社社長)。津賀氏の側近中の側近である。対抗が楠見雄規常務執行役員(オートモーティブ社社長)と品田正弘常務執行役員(アプライアンス社長)。日本マイクロソフトの社長・会長を務め、古巣のパナソニックに戻ってきた樋口泰行専務執行役員(コネクティッドソリューションズ社社長)に「バトンを渡すことはない」(パナソニックの元役員)と見られている。

 津賀氏は今年6月、経団連の審議員会副議長に就任する。東京五輪・パラリンピックは丸々1年延期になった。あと2年は社長をやるつもりだ。若くして50代で社長になったため、まだ63歳である。

(文=編集部)

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