
4月23日に新型コロナウイルス肺炎で亡くなった俳優の岡江久美子さんをネタにするかのような動画が、ユーチューブ上に続々と投稿され、物議を醸している。
特に、訃報に便乗するかのように「岡江久美子の息子」を名乗る動画が相次ぎ、一時はツイッターでトレンドワードになるほど話題になった。
「岡江久美子の息子です。今まで母をありがとうございました」などと、さも本物の岡江さんの息子であるかのように語るが、岡江さんに息子はいない。明らかな“なりすまし”だが、話題性も相まって、いずれの動画も多くの再生回数を稼いでいる。なかには、27日14時現在で30万回を超えているものもある(「勇者ナリボン」など)。
その一方で、これらの動画には批判の声が殺到しており、「低評価」が圧倒的に多い。いくら再生回数を稼げても、持続的に収益を上げることはできないだろう。
岡江さんのニュースに限らず、ユーチューブ上には、注目を浴びる事件や事故などを取り上げ、「犯人は私です」などと別人になりすまして投稿する動画が連日あげられている。だが、ユーチューブの「なりすましに関するポリシー」を見ると、他人になりすますことは違反行為にも見える。
だが、このような動画が頻繁に上げられることから、「こういうユーチューブは野放しにせず、排除してほしい」「ユーチューブは管理体制を見直すべき」など、ユーチューブの対応が甘いと指摘する声も少なくない。
4月27日に放送された『バイキング』(フジテレビ系)でも、俳優の坂上忍が岡江さんの息子を名乗るユーチューバーが相次いでいるニュースに不快感を示した。
「俺、バイキングやり始めてからダントツで頭来ているかも、これ。どういう神経なんですかね」と怒りをあらわにした。さらに、動画にモザイクをかけて放送していることについても、「なんでこんな連中のためにスタッフさんが手間暇かけてモザイク施してやらないといけないのか、さっぱりわからない」と述べ、動画をあげている人物をさらすことで、こういった不快な動画をなくしてほしいという意向を示した。
ユーチューブでは、規約違反とみられる動画については、視聴者が運営側に通報することができる。そして通報が一定数に上れば、アカウントが削除されることもあるという。
だが、すでに収益を得られる動画になっている場合、削除されたとしても、一定の回数の再生回数と再生時間を稼げていれば、それによって広告料を得られることになりかねない。このような、見ている人を不愉快にする動画を発見した場合、「動画を再生しないこと」「ユーチューブの運営に通報すること」によって、地道に排除していくしかないだろう。
(文=編集部)