NEW
木村隆志「現代放送のミカタ」

『BG』木村拓哉と『SUITS』織田裕二に残酷な明暗…主演ドラマ延期にコロナ対応の差

文=木村隆志/テレビ・ドラマ解説者、コラムニスト
【この記事のキーワード】

, , , ,

『BG』木村拓哉と『SUITS』織田裕二に残酷な明暗…主演ドラマ延期にコロナ対応の差の画像1
BG~身辺警護人~|テレビ朝日」より

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、春ドラマの約半数が放送延期に追い込まれている。

 皮肉なのは、TBSの『半沢直樹』、日本テレビの『ハケンの品格』、テレビ朝日の『BG~身辺警護人~』、フジテレビの『SUITS/スーツ2』と、各局が勝負を賭けた大作ほど影響を受けていること。人数、時間、セットやロケなど、さまざまな点でスケールが大きい分、クラスターのリスクが高く、「局を挙げた作品だからこそ安全策を採らなければいけない」という事情もあるという。

 なかでも、「90年代の主演俳優2トップ」と言われた木村拓哉織田裕二の主演作に明暗が生まれている。

第1話から延期と、第2話での中断

 そもそも、両作はドラマ誕生の背景から大きく異なる。『BG』がオリジナルであるのに対して、『SUITS/スーツ2』は米ヒットドラマのリメイク。主人公に目を向けても、『BG』の島崎章(木村拓哉)は肉体で人を守るボディガードであるのに対して、『SUITS/スーツ2』の甲斐正午(織田裕二)は頭脳で人を守る弁護士。「ボディガードは後方で黒子のように振る舞う」「弁護士は前面に出て交渉する」という仕事ぶりからも、対照的なキャラクターが見えてくる。

 さらに言えば、島崎は「弱き者の盾になる」という使命感に燃えたピュアな人物像であるのに対して、甲斐は稼げる大企業案件ばかりを扱い、勝つためなら手段を選ばない狡猾なタイプ。言わば、島崎が保守的な古き良き日本人で、甲斐は進歩的な現代のビジネスマンなのだが、不思議なことに、そのキャラクターが新型コロナウイルスへの対応にシンクロしていた。

 まず『BG』は4月16日スタートの予定だったが、8日に放送延期を発表。「新シリーズがスタートするまでは、2018年1月期の前シリーズからエピソードを厳選した“傑作選”の放送」という形を採用した。

 一方、『SUITS/スーツ2』は、予定通り4月13日に第1話を放送し、20日には第2話も放送されたが、終了直後に中断を発表。第3話以降の放送は未定で、今週からは『コンフィデンスマンJP』が再放送されている。

 つまり、フジテレビが選んだのは『BG』のような前シリーズの再放送ではなく、主演俳優も作品ジャンルも異なる作品の再放送だったのだ。これでは再開に向けた『SUITS/スーツ2』の番宣につながらず、新シリーズを楽しんでいたファンにとっても、やり切れない気持ちだろう。

番宣の効果も中断されてしまった

 主人公のキャラクターを踏襲するように、「前シリーズの再放送」という保守的な形を選んだ『BG』と、「行けるところまでは放送しよう」という進歩的な形を選んだ『SUITS/スーツ2』。ここまで、世帯視聴率とネット上の声には明確な差が生まれている。

 世帯視聴率は、前シリーズの再放送だった『BG』が第1話11.6%、第2話10.4%を記録したのに対して、新シリーズの『SUITS/スーツ2』は第1話11.1%、第2話8.4%と、新作であるにもかかわらず、早くも大きく下がってしまった。当然、録画や配信視聴をしている人もいるが、現在は在宅率が高い時期だけにショックだろう。

『話しかけなくていい! 会話術』 「話がうまい人」になる必要はない。無言でも、ひと言でも、人に好かれるための画期的コミュニケーション術! amazon_associate_logo.jpg
『嵐の愛され力~幸せな人生をつかむ36のポイント~』 嵐に学ぶ人から好かれる、人を好きになれる人間力の磨き方。明日から使える36個の“○○力”。年齢・性別を問わずマスターできる。 amazon_associate_logo.jpg
プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ