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千葉・流山市、駅前「送迎保育ステーション」で待機児童解消へ…住みたい街上位に浮上

文=小川裕夫/フリーランスライター
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 実のところ、地方自治体はこれまで若い世帯の取り込みには消極的だった。なぜなら、若い世帯は休日に自動車で出かけることも珍しくなく、そのために地元に金を落とさない。自動車を保有していない都市圏の場合は、鉄道を使って移動する。同じく地元経済に貢献しない。そうした理由から、地方自治体は比較的生活に余裕のある高齢者層、いわゆる団塊の世代をターゲットにしてきた。

 しかし、団塊の世代も購買力を失っている。そうした背景から、自治体は若い世帯の取り込みに方針をシフトさせざるを得なくなったが、容易ではなく、多くの地方自治体が手を打ちあぐねている。

流山市に自治体関係者たちが注目

 そうしたなか、地方自治体関係者が注目している自治体として口を揃えるのが、千葉県流山市だ。2005年につくばエクスプレスが開業して一躍、流山市は30~40代の世帯から注目を浴びるようになった。つくばエクスプレスに乗れば、東京都心部まで鉄道一本で移動できる。それが強みになり、子持ち世帯が一気に増加したのだ。

 小さな子持ち世帯が増加すれば、当然ながら保育所の整備が必要になる。そこで流山市は保育所を開設する策も打ち出した。それが、駅前への送迎保育ステーション開設だ。

 通常、保育所は保護者である父母が朝に園まで送り、夕方に迎えに行く。そのため、家の近くの保育所に預けるのが一般的だった。しかし、父母が共に会社勤めだと、そうはいかない。駅前に保育所があれば、通勤途中に子供を預ける、退勤時に子供を迎えに行くことができる。

 こうした理由から駅前に保育所を開設している自治体もあったが、駅前は当然ながら土地代が高くなる。そのため、簡単に保育所を開設できない。開設できても小規模な保育所になる。預けられる定員が少ないため、待機児童を解消する抜本的な政策にはなり得なかった。

 また、最近の不動産会社は効率重視の観点から大規模な集合住宅を固めて建設する傾向にある。大規模マンションが3〜4棟できれば、子育て世帯が一気に100世帯増えてしまうことはザラだ。子育て世帯が同じ地域に増えれば、保育所を1、2カ所つくっても待機児童が発生してしまう。一方、そうした大規模集合住宅のないエリアは、保育所を開設しても入園希望者が集まらない。流山市の送迎保育ステーションは、そうした偏在をなくす取り組みとしても注目されている。

「流山市はつくばエクスプレスの南流山駅と流山おおたかの森駅に送迎保育ステーションを開設しています。2つの送迎保育ステーションにはバスが計8台配置されており、そのバスに乗って園児たちは登園・降園するシステムになっています」と話すのは、流山市子ども家庭部保育課の担当者だ。

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23:30更新
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