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保護者は通勤前に駅前に開設された送迎保育ステーションに子供を預けるだけで済むため、通勤・退勤時の送り迎えが楽になる。流山市が導入した送迎保育ステーション方式は子育て世帯にとって、時間と手間の2つを解消させた。
行政側にもメリット
送迎保育ステーションは保護者にメリットがあるだけではなく、行政にとってもプラス面が多い。行政の悩みは、地域によって入所園児の偏在が生じてしまうことだった。送迎保育ステーションのバス登園・降園が実現したことで、保育所を効率よく配置できるようになった。これにより行政は保育所を開設する場所を選べる余地が生まれた。「園児の声がうるさい」といったクレームが出る閑静な住宅街を避けることも可能になった。また、不動産価格の低いエリアに保育所を開設できるため、自治体財政の負担も軽減した。
こうした子育て支援策への取り組みによって、流山市は今や住みたい街ランキングでも上位の常連になりつつある。子育て支援が手厚いという評判が広がったことで、「自治体にとって、子育て支援策を充実させたほうがプラスだという空気が出てきた」(前出・県職員)と言う。
政府や地方自治体の次の一手が待たれる。
(文=小川裕夫/フリーランスライター)