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木村誠「20年代、大学新時代」

医学部のない早稲田大学がなぜ1位?補助金に見る私大経営の実態…日大、慶應がトップ3

文=木村誠/教育ジャーナリスト
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 最近、私大医学部の高い学費は値下げの傾向にあるが、私学助成を考えると、医学部進学がいかにコストパフォーマンスが高いかがわかる。そのため、近年は受験生の医学部人気が過熱しているが、医療関係者の感染死亡が伝えられる新型コロナウイルスの騒動によって、どう動くのだろうか。新型コロナは、医療の原点を問い直す機会になったともいえる。

「MARCH」より健闘している「関関同立」

 医学部のない有名私大の補助金は、西高東低の傾向にある。一般的に、関西の「関関同立」(関西・関西学院・同志社・立命館)が、東京の「MARCH」(明治・青山学院・立教・中央・法政)より健闘しているのだ。

 ここ数年で、立命館大は総額5位から4位に順位を上げている。医学部のある近畿大も10位以内をキープしている。両大学とも、スケールメリットと積極的な学部改革がプラスになっているのであろう。

 首都圏で医学部のないMARCHでは、ここ数年、明大が10位前後である。それに、法政大や中央大が続いている。それらに比べ、上智・青学・立教の「ミッション系JALパック」は学生数が相対的に少ないだけに、総額では低くなる。ただ、学生1人当たりの私学助成では、明大に次ぐランクにアップする。上智大は早慶に次ぐ。どうも、総額よりも1人当たりの私学助成額のランクが、入試の難易ランクに近い印象だ。

 理工系の東京理科大は、総額では学生数1万人以上の大学で早慶に続いている。地方では、名城大学や中部大学の名古屋勢の健闘が目につく。やはり、理工系学部が充実しているからであろう。

高い特別補助をキープする地方の小規模私大も

 表にない地方の小さな私大でも、がんばって特別補助を勝ち取っているケースは多い。たとえば、16年から19年まで、特別補助の高い割合をキープしている大学もある。東日本国際大学、岡山商科大学、松山東雲女子大学、宮崎国際大学、函館大学などだ。被災地の大学もあるが、3年間も持続する健闘ぶりを評価したい。半面、特別補助がゼロの小さな私大は地方に多い。医療系も目立つが、新しい大学もある。申請ノウハウの差もあるのであろう。

 逆に、私学助成申請をしない私大も19年に14大学、18年に17大学あった。管理不適切で私学助成が不交付となった大学は、東京福祉大学、大阪観光大学がある。大阪観光大は大学役員が刑事事件で処分されたのが理由である。また、不正入試などで、前年に引き続き東京医科大学が不交付となっている。このような事例にも、現在の私学経営の現状がうかがえる。

(文=木村誠/教育ジャーナリスト)

●木村誠(きむら・まこと)
早稲田大学政経学部新聞学科卒業、学研勤務を経てフリー。近著に『「地方国立大学」の時代–2020年に何が起こるのか』(中公ラクレ)。他に『大学大崩壊』『大学大倒産時代』(ともに朝日新書)など。

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