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武田薬品、代名詞「アリナミン」を手放す理由…巨額の有利子負債問題、売却先選び混迷

文=編集部
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隠れ本命がロートの根拠

 武田CHはどこへ行くのか。大衆薬王者の大正製薬HDが最有力と取り沙汰されている。M&Aには積極的で、19年7月に米ブリストル・マイヤーズスクイブの欧州子会社で大衆医薬品を手掛けるUPSAの買収を完了した。買収には過去最大の1820億円を投じた。19年6月にも持ち分法適用会社のベトナムの製薬会社、ハウザン製薬の出資を50%強に引き上げて、子会社にしている。

 大衆薬の総合デパートの大正製薬が、同タイプの武田CHを丸ごと買う利点は乏しい。4000億円で武田CHを買うとすれば重い資金負担がのしかかる。大正製薬は成長余地の小さい国内より、海外でのM&Aに期待をかけている。

 大正製薬が降りたらどうなるのか。ロート製薬やライオンの名前が挙がる。注目はロート製薬だ。主力の目薬では1500円という高価格帯の「Vロート」、スキンケア製品では「肌ラボ」シリーズなどヒット商品が相次ぎ、「肌ラボ」や高級目薬はインバウンド(訪日外国人)に人気の代表的銘柄となった。ロートは18年6月、塩野義製薬の大衆薬子会社シオノギヘルスケアに15%出資した。シオノギヘルスケアは痛み止めの「セデス」やビタミン剤の「ポポンS」など一般医薬品を扱う。

 武田CHが持つ、幅広い大衆薬のラインナップをロートが手に入れれば、ドラッグストアなど主要販売先との関係強化につながるとの読みもある。首位の大正製薬HDに迫ることができるわけで、ロートにとっては魅力的なM&A案件だろう。

 なによりも、昨年6月に武田薬品の大衆薬事業を長年統括し、武田CH社長を務めた杉本雅史氏を社長に迎えた。杉本氏の起用は、「武田CHのM&Aに乗り出す布石」(関係者)と取り沙汰された。杉本氏はCHの幹部の人脈から商品群まで熟知しているとされる。

 武田薬品はフィナンシャルアドバイザー(FA)として野村證券を起用。複数の買い手候補に打診を始めた。一次入札の締め切りは大型連休明けになる見込み。勝ち残るのは、下馬評にのぼる国内勢か。それとも外資系のファンドか。外資系ファンドの入札金額を見れば本気度がわかる。

(文=編集部)

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