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山口組分裂騒動沈静化の中、結成3年「絆會」の動きは? 当局の異例判断の背景は?

文=沖田臥竜/作家
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沈黙を守る、絆會の織田絆誠組長(写真中央)。

 緊急事態宣言下、結成以来、3度にわたる名称変更を行ってきた「絆會」が結成3年を迎えた。

 2015年に六代目山口組から離脱し、神戸山口組が誕生。さらに2年後の17年4月30日に、その神戸山口組を脱退し、絆會(結成当時は「任俠団体山口組」。その後「任侠山口組」に解消))が結成された。その後続く山口組の分裂騒動の中にあって、織田絆誠組長が神戸山口組傘下組員に襲撃されるという事件(17年9月)などもあったが、最近は沈黙を守り続けているのが絆會といえるだろう。


 「先日まで絆會は、脱反社(反社会的勢力)を目指すために、一旦は解散も視野に入れているのではないかと業界内で取り沙汰されたこともあった。だが、そうした噂も現在では立ち消えている」(業界関係者)


 今年2月になると、組織名から山口組という名称を外し、代紋からは山口組の象徴ともいえる山菱の紋章まで外した絆會。事実上、山口組分裂騒動から一線を画すというスタンスを明確にしたようにも見える。結成3周年を迎えた4月30日も特別な動きもなく、今後どのような組織運営を行なっていくのか、業界関係者のみならず、捜査関係者の間でも注目が集まっている状況だ。


 一方、六代目山口組や神戸山口組では、緊急事態宣言下にある繁華街で、一部の組織や組員が自警団的な役割を果たしている【参考「 六代目山口組などが自警団を結成」】ということ以外、大きな動きなどは漏れ伝わってこない。両者の対立に伴う動きもなく、ある種の休戦期間に入っているといえる見られるようだ。

 「現在、六代目山口組と神戸山口組は現在、特別抗争指定暴力団に指定され、当局からの監視や取り締まりが厳しくなっています。さらに、緊急事態宣言が発令されている中、仮に対立抗争が激化すれば、社会的にも両組織への反発が強まり、当局による厳罰化がさらに進むことが予想されます。また、今回の外出自粛要請はヤクザ経済にも深刻なダメージを与えているはずで、その対応を優先しなくてはいけないという事情もあるでしょう」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 一方で、こんな話もある。暴力団排除条例違反容疑などで逮捕・勾留されていた六代目山口組中核団体の幹部ら数人が捜査中に釈放されたというのだ。当局が、容疑を否認している組幹部を起訴・不起訴の判断をする前に釈放することは珍しい。


「そもそも無理筋の逮捕だったようで、起訴までもっていくのは難しいのではないかと言われていた。そこに新型コロナウイルスによるクラスター感染のリスクなどを考慮して、釈放に至ったのではないか。刑事施設内の勾留者の密度を少しでも下げたかったのでしょう。ヤクザの幹部は特に長期勾留されがちですが、異例の対応といえます」(業界事情通)


 新型コロナウイルスの影響は、ヤクザ社会においても拡大し続けているようだ。
(文=沖田臥竜/作家)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。以降、テレビ、雑誌などで、山口組関連や反社会的勢力が関係したニュースなどのコメンテーターとして解説することも多い。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任侠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)など。最新小説『忘れな草』が発売中。

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