インバウンド需要に沸く大阪では、企業が保有する不動産の有効活用という観点からカプセルホテルへの進出が相次いだ。

 JR西日本は17年2月、ファーストキャビンと合弁会社JR西日本ファーストキャビンを設立(出資比率はJR西日本51%、ファーストキャビン49%)。ファーストキャビンステーションあべの荘(大阪市)、ファーストキャビンST.京都梅小路RYOKAN(京都市)、ファーストキャビンステーション和歌山駅(和歌山市)の3施設を運営していた。

 JR西日本は合弁会社、JR西日本ファーストキャビンの解散を決定。あべの荘と京都梅小路は閉館する。ファーストキャビンステーション和歌山駅はJR西日本ホテルズが運営するホテルグランヴィア和歌山内にあり、ブランドを変えて営業を再開する予定だ。

WBFは横浜と札幌に新しいホテルを建設した矢先の経営の行き詰まり

 国内で約30カ所のホテルを展開しているWBFホテル&リゾーツ(大阪市)は4月27日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し、同日に監督命令を受けた。負債総額は約160億円でコロナ関連では最大の倒産となった。新型コロナウイルスの感染拡大で2月から宿泊客のキャンセルが相次いだのに加え、新しいホテルの開設などにも資金を投じたため資金繰りが悪化した。今後は再建に向け、スポンサー企業を選定する。

 同社は中堅旅行会社のホワイト・ベアーファミリー(大阪市)のホテル・リゾート運営会社として2009年12月に設立。東京、大阪、京都、北海道、福岡、沖縄などでビジネスや観光客向けのホテルを展開。19年3月期の売上高は47億8400万円を上げていた。近年は積極的にホテルを建設してきた。神奈川県初進出となる客室277室を備えたホテルをJR桜木町駅近くに建設。開業予定日の3月28日に延期に追い込まれていた。

 特に力を入れていたのが観光地の北海道。主力銀行は北洋銀行、北海道銀行、北陸銀行で、いずれも北海道を本拠に置く。札幌4施設、函館3施設、釧路、旭川、小樽にそれぞれ1施設を運営。昨年12月には、札幌の四季をイメージした「ホテルWBFフォーステイ札幌」をオープンしたばかりだった。北海道が出した緊急事態宣言で北海道の観光名所から国内外からの観光客の姿が消え、営業休止に追い込まれた。

琵琶湖畔の大型リゾートホテルも倒産

 琵琶湖畔の大型リゾートホテル、ロイヤルオークホテル スパ&ガーデンズを運営するロイヤルオークリゾート(大津市)は4月28日、大津地裁に自己破産を申請した。負債総額は約50億円。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う利用客の減少で、直近の稼働率が大きく落ち込んでいた。滋賀県内でのコロナ関連の倒産は初めてだ。