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現役マネージャーが語る、芸能ニュース“裏のウラ”第19回

衝撃だった嵐のYouTube参入、“彼氏感”ハンパない佐藤健のLINE……多角化する芸能人のネット戦略

芸能吉之助(現役芸能プロマネージャー)
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コロナ禍を受け、嵐のYouTube公式チャンネルには、期間限定のライブ映像や話題となった“手洗い動画”など、さまざまなコンテンツがアップされている。(画像は嵐のYouTube公式チャンネルより)

 どうも、“X”という小さな芸能プロダクションでタレントのマネージャーをしている芸能吉之助と申します。

 外出自粛で“ステイホーム”が叫ばれる今、最近目立っているのが芸能人による動画投稿。YouTubeやインスタライブで生配信をする芸能人が増えており、「ストレスが多い自粛生活中の楽しみになる」と、多くのファンを喜ばせています。

 Instagramでの『うちで踊ろう』動画が大きな話題になった星野源さんのように、これまで積極的にSNSを活用していた人はもちろん、あまりプライベートを見せることが少なかった芸能人がSNSに登場することが増えているのもおもしろいところ。

 5月1日には『スッキリ』に出演した有名YouTuberのはじめしゃちょーさんが、続出する芸能人のYouTubeデビューについて「ぶっちゃけて言うと複雑な心境ですね」と、戦々恐々として本音を吐露して話題になっていましたね。

窪田正孝&水川あさみ、三浦翔平&桐谷美玲……夫婦インスタライブの衝撃

 ジャニーズの公式YouTubeチャンネルでは、堂本光一くんがKinKi Kidsの楽曲『愛のかたまり』の替え歌『家のかたまり』を熱唱。「♪思い切り抱き寄せられると近い あなたも家で歌うの」「♪明日の朝も自粛するよね」など“ステイホーム”にちなんだ替え歌を切ない面持ちで歌い上げ、「こう来るか〜!」とぼくも爆笑してしまいました。また、三浦春馬くんは自身の誕生日である4月5日に初めてのインスタライブを行い、2ndシングルリリースの発表と共に、ハマっているという料理についてのうんちくを披露。

 そして、自身のインスタライブではないのですが、窪田正孝くんは妻の水川あさみさんとハリセンボン近藤春菜さんが配信していたインスタライブにサプライズ乱入。三浦翔平くんも、妻の桐谷美玲さんのインスタライブに登場し夫婦のツーショットを披露し、大きな話題となりました。

 現在は、連続ドラマやバラエティ番組も新しく収録を行うことが難しい状況です。さきほど話題に出た窪田正孝くんが主演の連続テレビ小説『エール』(NHK総合)や、同局の大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合、主演:長谷川博己)も収録延期が決定。その他、『半沢直樹』(TBS系、主演:堺雅人)、『未満警察 ミッドナイトランナー』(日本テレビ系、主演:中島健人、平野紫耀)、『アンサング・シンデレラ』(フジテレビ系、主演:石原さとみ)、『MIU404』(TBS系、主演:綾野剛、星野源)、『BG〜身辺警護人〜』(テレビ朝日系、主演:木村拓哉)など、4月に放送スタート予定だった民放の連続ドラマも続々と放送延期が発表されています。

 そんな状況のなかで、芸能人にとっての動画配信は、ファンを喜ばせるという目的と共に、視聴者の心が離れないように自分の存在をアピールするいいツールになっているのでしょうね。

衝撃だった嵐のYouTube参入

 さて、今回のコロナ禍で注目を集めている芸能人の動画配信ですが、YouTubeに関していえば、芸能人の参入が本格化し始めたのは実は2019年から2020年の初めにかけてなんです。

 これまで「芸能人のYouTube」といえば、“テレビから消えたタレント”がやるものというイメージが強かった。それがここ最近、テレビの世界でも旬まっただなかのタレントや俳優がYouTubeの世界に進出してきています。

 衝撃だったのは、やっぱりですよね〜! 2019年10月9日に突然公式YouTubeを開設し、たった28時間でチャンネル登録者数100万人を突破しました。ほかにも、香取慎吾さん、稲垣吾郎さん、今年に入ってからも江頭2:50さん、宮迫博之さん、川口春奈ちゃん、佐藤健くんなど、人気タレントや役者さんが続々YouTubeチャンネルを開設しています。

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“彼氏感”ハンパないと話題の佐藤健のLINE公式アカウントにおけるメッセージの一部。ファンにはたまらない内容だ。

“彼氏感”ハンパない佐藤健のLINE戦略

 そのなかでぼくが注目しているのは佐藤健くん。「天堂担」「歴史的バックハグ」などの言葉がバズるほど大きな盛り上がりを見せた自身の主演ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系、2020年1月期放送)の最終回直後にYouTube公式チャンネルを開設。第1回目の放送には同作ヒロインの上白石萌音ちゃんをゲストに招き、生配信でトークを繰り広げました。このときの動画は約1カ月で1000万回も再生されており、現在の佐藤健くんの人気ぶりを証明するものとなりました。

 もともと佐藤健くんって、SNSの使い方が抜群に上手い。健くんといえば、公式LINEも「彼氏感がすごすぎる!」と話題になっていましたよね。芸能人のLINEアカウントは多数あるものの、そのほとんどは“bot”による自動返信。しかし、健くんのLINEは本人が目を通し、本人が返信しているとあってめちゃくちゃリアルだし、タイムリー。ぼくも以前から登録しているんですが、「おはよ」「花粉やばくない?」「撮影終わった」「はやく寝なね おやすみ」など、本当に恋人から来るさりげないLINEのような感じで、ぼくのようなオッサンでさえときめいてしまいますからね(笑)。

 今回のドラマも、放送日前には「明日夜あけといてね」と健くんからLINEが来たり、放送日に合わせて「SUGAR」(生電話ができる双方向ライブ配信アプリ)でファンと交流したりと、健くんによる盛り上げ方が本当にすごかった。視聴率が最終回に向けてぐんぐん上がっていった一因にもなっていると思いますよ。そしてその盛り上がりの波に乗って、自身のYouTubeチャンネルを開設。完璧なタイミングです!

 マネジメントスタッフの戦略もうまいですが、健くん本人のバランス感覚というか、センスというか……やっぱり頭がいい人なんだろうなと感じます。

“内容”は問われない芸能人のYouTubeチャンネル

 でも、や佐藤健くんのようなYouTube進出の仕方って、いわゆる“YouTuber”とは全然違うんですよね。HIKAKINさんやはじめしゃちょーさんに代表されるような“YouTuber”って、まず企画ありきで、面白いコンテンツを作って、毎日コツコツと投稿して、それが注目されて世に出てくるというプロセスだった。

 それに対して芸能人のYouTubeの場合、ファンにとって内容は二の次。企画はなんでもよくて、「とにかくその人が見られればOK」といった視聴者が多い。テレビという既存メディアからそのまま視聴者をYouTubeに引っ張ってきている形です。だからぶっちゃけ、嵐や佐藤健くんの登録者数があれだけの数になるのも、ある意味当たり前のことなんです。

 それに対して、芸能人のYouTubeチャンネルの中で、これまでの“YouTuber”寄りの作り方をしているのが、2018年から“YouTuber・カジサック”として活動しているキングコングの梶原雄太さんや、江頭2:50さん。また、宮迫さんなんかは、テレビでの知名度に加え、ヒカルさんなど人気YouTuberとのコラボによりYouTuberの文脈を取り入れるという、「ハイブリッド型」といってもいいかもしれません。

縮小していく「芸能プロ」の役割

 今後、芸能人のYouTube進出が、大物も含めどんどん増えていくはず。芸能事務所も新しいメディアとして本腰を入れていくと思います。ただそうなると、同時に、芸能事務所の役割もこれから大きく変わっていくかもしれません。

 これから先、タレントたちがYouTubeに力を入れていくとなると、芸能事務所の役割はどんどん少なくなってくるでしょうね。広告がついているYouTubeのスタイルだったら、今の芸能事務所のように大きな人数は必要ないでしょうし。テレビのような、いわゆる“芸能事務所による政治”をしっかり行わないといけないところ以外は、個人でもできますからね。自分で自分のブランド化やセルフプロデュースができるような頭がいい子は、事務所を通さずに自分で全部やってしまおうとするんじゃないかな。広告やドラマは事務所にマネジメントしてもらって、個人でアーティスト活動したり、自分でグッズ作って売ったり、というような形を取る芸能人も出てくるかもしれない。

 大きな変化を迫られているのはタレントだけでなく、彼らをマネジメントする立場であるぼくたちのほうなんだと、ひしひしと感じているところです。

(構成=白井月子)

芸能吉之助/芸能マネージャー

芸能吉之助/芸能マネージャー

弱小芸能プロダクション“X”の代表を務める、30代後半の現役芸能マネージャー。趣味は食べ歩きで、出没エリアは四谷・荒木町。座右の銘は「転がる石には苔が生えぬ」。

Twitter:@gei_kichinosuke

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