NEW

ドトールもスタバもコメダも危機的状況…好調ムードが新型コロナで一転、業績見通せず

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

好調だったスタバにも暗い影

 スタバは店舗数が拡大傾向にあり、成長途上にある。19年12月末時点で全国に1530店 を展開しているが、1年前から115店増えた。ドトールが1100店程度で横ばい推移しているのを尻目に店舗数をどんどん増やしており、カフェチェーンでは国内最多を誇る。なお既存店の業績は非公開のため不明だ。

 スタバは一時、価格の高さや混雑が敬遠され顧客満足度が下がっていたが、最近上昇に転じている。日本生産性本部がまとめた日本版顧客満足度指数(JCSI)調査でスタバの19年度の顧客満足度のスコアは73.6で、18年度から上昇した。また、18年度は順位が5位以下の圏外だったが、19年度は首位のドトール、2位のカフェ・ベローチェに続く3位にランクインしている。コメダ珈琲店(4位)を上回った。

 スタバは混雑解消が喫緊の課題となっているが、店舗数の増加で顧客が分散し、混雑解消につながっている面がありそうだ。それにより顧客満足を高められている。店舗数は増え、顧客満足は向上しており、ノリに乗っていると言っていいだろう。だが、新型コロナの影響で先行きは不透明だ。短期的には収益の低下と出店の抑制が避けられないだろう。

 コメダHDはFC既存店向けの卸売り売上高が好調に推移していた。20年2月期は前期比4.9%増と大きく伸びており、2期連続となる増収を達成している。また、コメダ珈琲店の店舗数は増加傾向にある。20年2月末時点で全国に864店展開しているが、1年前から36店増えている。

 コメダHDの20年2月期連結決算(国際会計基準)は好調だ。売上高は前期比2.9%増の312億円、営業利益は4.1%増の78億円、純利益は5.0%増の53億円だった。出店拡大でFC向けの卸売り売上高が伸びた。商品面では高級チョコレートブランド「ゴディバ」と共同で開発した季節限定メニューが好調だったという。このように同社は絶好調といっていいが、今後は新型コロナの影響で厳しくなるだろう。なお、新型コロナの影響が読めないことから、21年2月期の業績見通しを公表していない。

 このように、カフェチェーンは新型コロナの影響で今後は厳しい状況になりそうだ。もっとも、新型コロナの影響でカフェならではの需要も生まれているので、やり方次第ではある程度、売り上げの落ち込みを抑えることができるかもしれない。JCBとナウキャストによると、クレジットカード決済額をもとにした3月前半の喫茶店・カフェの推計消費額(速報値)は、前年同月比5.1%増、3月後半が4.4%増だったという。新型コロナの影響で在宅勤務をする人が増えたが、自宅では仕事がはかどらないという人が、カフェや喫茶店を職場代わりに利用するケースが増えたことが影響したとみられる。こういった需要を取り込んだり、テイクアウトを強化するなどで、この難局を乗り越えたいところだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

情報提供はこちら

RANKING

11:30更新
  • 企業・業界
  • ビジネス
  • 総合