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ミニストップ、3期連続赤字&大量閉店から急回復の可能性も…新型コロナの影響は軽微

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

 こうした商品戦略が功を奏した。20年2月期上期(19年3~8月)は、既存店売上高が前年同期比1.8%減、客数が3.6%減と不調だったが、下期(19年9月~20年2月)は既存店売上高が3.2%増、客数が1.6%増と好調に推移している。下期の盛り返しで通期の既存店売上高は0.6%増とプラスを確保した。ただ、店舗数減少などが響き、国内事業は振るわず、同事業の営業総収入は2.2%減の814億円、営業損益は22億円の赤字(前期は3億4400万円の黒字)と悪化した。

新型コロナの影響

 今後は、新型コロナウイルスの感染拡大が大きな懸念材料だ。もっとも、ミニストップはそれほど悲観する必要はないだろう。新型コロナの影響が色濃く出た今年3月でも、既存店売上高が前年同月比2.1%減と、それほど落ち込んでいないためだ。他の小売業や外食店では2割以上の落ち込みも珍しくなく、それと比べるとだいぶマシといえる。また、同業の競合と比べても落ち込みは小さく、セブン(3.2%減)やファミマ(7.6%減)、ローソン(5.2%減)よりもダメージが少ない。

 ミニストップでは、3月は新型コロナの感染拡大に伴いマスクなど紙衛生品の既存店売上高が前年同月比27.9%増と大きく増えたほか、一斉休校や在宅勤務の拡大により自宅での飲食需要が高まり、デイリー食品が15.8%増、調味調材が12.5%増、冷凍食品が10.4%増、加工食品が9.8%増、ラーメンが7.3%増、酒類が2.0%増と、それぞれ伸びたという。また、80円に値下げしたホットコーヒーやタピオカドリンクがけん引し、ドリンク分類が46.6%増と大幅増だったほか、チーズハットグなどを20円引きで販売するキャンペーンの効果により串もの分類が87.7%増と大きく伸びている。

 今期(21年2月期)は、商品販売を強化して売り上げを確保する考えだ。100円おにぎりと80円ホットコーヒーで伸長している朝食市場を捉えたことから、朝食商品を重点的に強化し、午前5時から午前8時台の客数を10%伸ばすことを狙う。また、毎月ひとつの商品にフォーカスして、それを集中的に販売し売り上げ増を狙う。3月は1980年の設立以来40年間販売しているソフトクリームにおいて初の味となる「佐藤錦さくらんぼソフト」を発売した。4月には設立から40年間販売している「ソフトクリームバニラ」を6年ぶりにリニューアルし、「ソフトクリーム新バニラ」として発売している。

 グループのPB「トップバリュ」の取扱高も増やす。今期は前期比5割増の245億円を目指す。一例としては、パスタなど調理麺のPB化を進めるという。また、中間流通を省いた「直接貿易商品」の取り扱いを増やし、収益性の改善も図る。前期にタピオカドリンクやチーズハットグを直接貿易商品として販売したが、今期はこの直接貿易商品を拡大させる方針だ。さらに、ソフトクリーム専門の新業態店「ミニソフ」の本格展開を始めるほか、ソフトクリームの原材料供給とメニュー提案を行う事業も推進する。こうした施策で売り上げを確保したい考えだ。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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