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カール教授の超入門ビジネス講座

投資や買収時、“会社の値段”はどうやって決まる?企業価値算定 完全ガイド

文=平野敦士カール/株式会社ネットストラテジー代表取締役社長

4.DCF法(Discounted Cash Flow)

 大企業やIT企業などでもっとも一般的に採用される方式で、通常は5年間程度の事業が将来生み出すフリーキャッシュフローを予測して、それを期待収益率で現在価値に割り引いて算定する方式です。難しそうに見えますがExcelを使えば誰でも計算できます。本質価値(インカム)アプローチともいわれます。

 現実には5年先の予測は難しいことから、楽観シナリオ、ベースシナリオ、悲観シナリオといった3つを作成することが一般的です。なおDCF法では前提となる割引率などの数字を変えれば大きく結果が変わることに注意が必要でしょう。

・フリー・キャッシュフロー(Free Cash Flow:FCF)

 DCF法とは、あなたの会社が今後どのくらいのキャッシュを生み出すのかに基づいて会社の価値を決めるためのルールですが、通常フリーキャッシュフローという数字を使います。これは会社が営業活動で稼いだキャッシュから、現在の事業を維持するために投資しなくてはならない資金などを差し引いたもので、会社が自由に使える資金であることからフリーキャッシュフローと呼ばれています。注意が必要なのは、会計学上のキャッシュフロー計算書とは別の概念だということです。

 FCFは、損益計算書における営業利益をベースとして実際には会社からキャッシュが出ていないのに損益計算書上は引かれてしまう項目や、逆にキャッシュが実際には出てしまっているのに損益計算書上は引かれていない項目なども修正して、求める必要があります。

 わかりやすい例でご説明します。会計上、たとえば資産を購入すると減価償却を行います。

 たとえば、200万円でクルマを購入した場合には、実際にはディーラーなどに200万円を支払いますから会社のキャッシュは減少します。しかし会計上はそのクルマは5年間使うのであれば5年間効用があるので費用に計上するのは1年分だけにする、という減価償却という考え方があります。

 そこで、たとえば毎年40万円ずつ費用に計上しなさい、となった場合には、40万円だけが毎年費用として引かれることになります。すると利益はその分大きくなるわけです。実際には1年目にすでにキャッシュは200万円、会社の外に出てしまっています。実際のキャッシュと同じにするには、減価償却費分を修正しなければなりません。

 このように損益計算書と実際のキャッシュの額の違いを修正するために、いくつかの項目を修正する必要があるのです。

・フリーキャッシュフローの計算式

FCF = 税引き後営業利益 + 減価償却費 - 正味運転資本増加額 - 設備投資

となります。ちょっと難しいですが、要するに「実際に会社が自由に使えるキャッシュの数字を損益計算書を基に算定する必要がある」と理解しておいていただければよいでしょう。DCF法における企業価値算定の手順としては、大きく分けて以下の3つのステップで行います。

(1)将来(5年程度)のフリーキャッシュフローを予測

  (楽観・ベース・悲観シナリオ)

(2)割引率となるWACC(ワック)を算出

(3)フリーキャッシュフローをWACCで割引きして企業価値を算出する

 順番にご説明します。まず、企業は通常、金融機関からの融資や社債権者から社債という負債(Debt:デット)と、株主からの増資や資本金などの自己資本で資金を調達します。企業は、それらの調達した資金を事業に投資することで利益を生み出し、負債の金利や元本を債権者に支払い、または返済し、株主には配当の支払いや株価を上昇させ、利益を生み出さなければなりません。

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17:30更新
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