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Classiが「全然使えない」と悲鳴…多くの高校で授業停止、情報流出でも原因非公表

文=編集部、協力=三上洋/ITジャーナリスト
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 Classiがどこで動いているのか明らかになっていませんが、グーグルクラウドプラットフォーム(GCP)やAmazon Web Services(AWS)のようなクラウドを利用しているのであれば、サーバーの増強などは比較的柔軟に対応できるはずです。しかし、仮にソフトバンクなどの自社サーバーで稼働しているとなれば、一朝一夕には増設はできません。また、またもともとのシステム設計がクラウド活用を想定していなかった場合、問題解決までに時間を要する可能性があります。

政府のギガスクール構想に影響も

 大学ではだいぶ前からLMSは普及していました。現在までにmanaba(朝日ネット)、course power (富士通)、海外製のblackboard、google classroomなどが活用されています。やはり新学期の4月には講義を受ける大学生も多く、接続が集中して混雑することがありますが、まったく動かないということはありません。

 また各大学が様々なLMSを採用し、場合によっては複数を運用しているため、1つのLMSが問題を起こしても、日本の大学教育全体がストップすることはありません。

 それに対して、高校ではベネッセとソフトバンクの合弁会社であるClassiが日本の高校の半数をカバーするガリバー状態です。Classiがアクセス集中で止まることで、高校教育全体が危機的状態になっています。

 Classiは昨年1月、EDUCOMを買収し子会社化しました。EDUCOMは約30年にわたり校務支援をしてきた企業です。全国の小中学校や教育委員会向けに、教職員の校務を効率化するシステム「EDUCOM マネージャーC4th」をクラウド・オンプレミスの双方で提供していました。このシステムでは、成績処理や出席確認や健康診断票、保健室管理、指導要領や学校事務などの機能を統合的に利用できるもので、校務支援システムを導入する学校のうちの約5割を占める業界トップシェアを持っていました。それに加えてClassi独自の授業のオンラインシステムを含め、全国の学校のシェアを独占する形になりました。

 そもそも日本の小中高の教育現場では米国や欧州、中国と比較してICT化の遅れが指摘されていました。そこで登場したのが、今年4月から実施されている政府のギガスクール構想です。同構想では次の4つが大きな柱として据えられています。

・生徒1人に1台端末を配布すること

・学校内のネットワーク化

・ICTの全面活用

・学習ツール、校務のクラウド化

 つまり、ベネッセはClassiとEDUCOMを統合することで、この4つ目の柱を実現させようとしていたのです。しかし、今回のトラブルでその柱の一つが大きく揺らいでいます。実際に多くの高校で授業ができずに機能停止していることを考えれば、これはもはや1企業のトラブルではなく、日本の学校教育全体を揺るがす大きな問題だと思います。文部科学省が動かなければいけない事態だと考えます。

(文=編集部、協力=三上洋/ITジャーナリスト)

 

 

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