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「自粛要請」でコロナは解決しない…国民全員への抗体検査なら社会活動停止せずに済む

文=横山渉/ジャーナリスト
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 次に期待されるのは、インフルエンザ治療薬として開発された「アビガン」だろう。国内メーカー、富士フイルム富山化学の開発薬にもかかわらず、新型コロナ用に認可されないのは、開発過程の動物による安全性試験で胎児に奇形が生じる可能性が認められたためだという。しかし、芸能人の宮藤官九郎氏や石田純一氏がアビガンを処方されて回復したというニュースが駆けめぐり、“アビガン待望論”が否応なしに高まったのも無理からぬところだ。そうした声に押されたのか、安倍首相はアビガンについても新型コロナ治療薬として今月中の承認を目指すとしている。

 さて、レムデシビルにしてもアビガンにしても、日本で実際に新型コロナにどのくらい効くのか、現段階では未知数だ。9割以上の患者を治すかもしれないし、5割以下ということだってありえる。

 和田氏は「恐怖に煽られた国民とマスメディアの前で、9割の患者に効く薬ができたといったところで満足するのか」と疑問を投げかける。

「日本はお産で失敗しても医療訴訟になる可能性がある国。そもそもお産には0.3%くらい失敗する可能性がつきまとう。精神科でいえば、すべてのうつ病が治せるわけではない。9割くらいの患者を治せるとしても、1割くらいはどんな薬を使っても助からないということが起こりうる。なかなかそのことを理解してもらえない。日本人は医療に完璧性を求める傾向がある」

 どんな薬にも効能(作用)があれば、なんらかの副作用が伴う。ドラッグストアの市販薬だって「眠くなる」程度の副作用はある。日本ではそういう基本的なことすら理解していない人が多いということかもしれない。だから、和田氏が言うように医療に完璧性を求めるのだ。

 新型コロナに対する抗ウイルス薬の候補として国内外で臨床試験・臨床研究が行われているのは、レムデシビルとアビガン以外にも、HIV向けに開発された米アッヴィ社の「カレトラ」、気管支喘息向けに開発された帝人ファーマの「オルベスコ」などたくさんある。どの薬もそうだが、新型コロナに転用して、仮に5割以下の患者にしか効かなくても、マスメディアは絶対に批判してはならない。そうでなければ、新型コロナの終息などあり得ない。

(文=横山渉/ジャーナリスト)

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