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『古畑任三郎 vs SMAP』における“SMAPの美しい友情”
あのSMAPという存在が“なかったこと”にされつつある今、このタイミングでゴールデンタイムでの再放送をすれば確実に高視聴率が期待できるが、絶対に放送されないであろう作品がある。『古畑任三郎 vs SMAP』(1999年/フジテレビ系)である。三谷幸喜が脚本を手掛けた人気シリーズ『古畑任三郎』に、犯人役でSMAPの5人が出演した特別篇で、正月特番として同年の1月3日に放送された。
メンバーが演じたのは、中居正広、木村拓哉、稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾による国民的アイドルグループ「SMAP」。つまり、実名での登場だった。そして、5人が共謀して殺人事件に関わるのである。ただし、冒頭であくまでフィクションであることが強調され、現実とは違い劇中のSMAPは、メンバーが芸能界に入る前からの友情で結ばれている……という設定になっていた。そして、そこが事件のカギともなっている。
あの後味の悪い解散劇を経た今観ると、『古畑任三郎 vs SMAP』には色々と興味深い場面が多い。香取慎吾が木村拓哉に対して「あんたのカッコつけた顔はもうウンザリなんだよ!!」と言い放ったり、戸田恵子演じる敏腕女性マネージャーが登場したり、リーダーの中居正広が『SMAPは終わらせない』と宣言したり……。
実はこの作品、再放送されたことがないわけではない。フジテレビは、SMAP解散直前の2016年11月に、関連ドラマ、映画などを一挙放送したことがあったのだが、そのラインナップに『古畑任三郎 vs SMAP』も含まれていたのだ。
見方を変えると、このタイミングが再放送のラストチャンスだったのだ、といえよう。
SMAPの解散から3年半。この空前のドラマ再放送ラッシュにあっても、ジャニーズ事務所がテレビ界に強い影響力を持っている限り、『古畑任三郎 vs SMAP』がオンエアされる可能性は限りなくゼロに近いのだろう。
(文=編集部)