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渡辺陽一郎「いちばん詳しい『人気の新車』完全ガイドシリーズ」

ホンダ・フィットが「最もお買い得なファミリーカー」である理由…トヨタ・ヤリスとの違い

文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト
ホンダ・フィットが「最もお買い得なファミリーカー」である理由…トヨタ・ヤリスとの違いの画像1
ホンダの「フィット」(「フィット|Honda公式サイト」より)

どんなクルマなのか?

 ホンダフィット」は、全長を4m以下に抑えたコンパクトカーの主力車種です。2001年に発売された初代モデルから、燃料タンクを前席の下に搭載して、空間効率を高めてきました。

 4代目の現行型も同様の設計で、全長は短く、全高も立体駐車場を使いやすい1550mm以下に抑えながら、後席と荷室には十分な容量を確保しています。現行型の発売は2020年2月なので設計が新しく、安全装備や運転支援機能も充実しています。

 販売も好調で、2020年4月には、小型/普通車ではトヨタ自動車「ヤリス」に次ぐ2位(軽自動車も含めるとホンダ「N-BOX」、ヤリスに次ぐ3位)になりました。

人気を得ている理由

 フィットが高い人気を得ている理由は、混雑した街中でも運転のしやすい5ナンバーサイズのコンパクトカーでありながら、居住空間や荷室が広く、ファミリーカーとしても使いやすいことです。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先には、握りこぶし2つ半の余裕があります。3ナンバー車になるトヨタ「カローラセダン&ツーリング」や「マツダ3」の1つ半を上回ります。高機能なハイブリッドシステムも、人気を高めた理由です。

気になる8つのポイントチェック&星取り採点

(1)居住空間の広さとシートの座り心地

★★★★☆

 全長が4000mm以下、全高が立体駐車場を使える1550mm以下の5ナンバー車では、もっとも広い居住空間を備えます。

(2)荷物の積みやすさとシートアレンジ

★★★★☆

 燃料タンクを後部ではなく前席の下に搭載したので、荷室の床が低く、ボディサイズのわりに積載容量が大きいです。

(3)視界や小回り性能など運転のしやすさ

★★★★★

 前側のピラー(柱)形状を工夫して、ななめ前方の視界は良好です。水平基調の外観で側方と後方も見やすいです。

(4)加速力やカーブを曲がるときの安定性

★★★☆☆

 1.3Lノーマルエンジンの動力性能は平均的で、ハイブリッドには余裕があります。走行安定性も満足できます。

(5)乗り心地と内装の質感などの快適性

★★★☆☆

 乗り心地は、コンパクトカーでは優れた部類に入ります。シンプルな内外装のデザインは好みが分かれます。

(6)燃費性能とエコカー減税

★★★★☆

 売れ筋になるホームのWLTCモード燃費は、1.3Lノーマルエンジンが20.2km/L、e:HEVは28.8km/Lと良好です。

(7)安全装備の充実度

★★★★☆

 衝突被害軽減ブレーキは、歩行者と車両に加えて自転車も検知します。運転支援機能は渋滞時の追従機能付きです。

(8)価格の割安感

★★★★☆

 1.3Lのホームは171万8200円。割高な印象もありますが、シートアレンジや充実した装備を考えれば納得できます。

選ぶときに確かめたい3つのメリット

・後席と荷室は、立体駐車場を使える同サイズの小型車よりも明らかに広いです。

・小さなボディは前後左右ともに視界が優れ、小回りも利いて運転しやすいです。

・e:HEVはモーター駆動が基本なので、加速がなめらかで瞬発力も優れています。

後悔しないための3つの要チェックポイント

・車両重量が1100kg前後なので、1.3Lエンジンは少しパワー不足を感じます。

・ベーシックを中心に、15インチタイヤ装着車は乗り心地が少し硬いです。

・1.3Lとe:HEVの価格差を燃料代の節約で取り戻すには、13万kmの走行が必要です。

こんなユーザーにおすすめ

 幅広いユーザーに推奨できます。立体駐車場を使える運転のしやすいコンパクトなボディは、燃費も良く、価格は割安です。しかも4名で不満なく乗車できるため、もっとも買い得なファミリーカーといえるでしょう。フィット1.3ホームを購入して、故障が増え始める直前の12年ぐらい使えば、もっとも割安なカーライフを満喫できます。

今後のモデルチェンジ予想

 現行フィットの発売は2020年2月なので、規模の大きなモデルチェンジは、当分の間行いません。ただし、価格の安いベーシックにLEDヘッドランプなどを加えた特別仕様車を設定する可能性はあります。また、ネスは販売比率が低いので商品力の向上が必要です。このような改善は行う可能性があります。

最近の販売状況と安く買うための商談方法

 販売は好調に推移しており、価格の安いコンパクトカーとあって、多額の値引きを引き出すのは難しいです。それでも、商談の過程ではライバル車のヤリスも検討していることを告げると良いでしょう。ヤリスハイブリッドを購入するときは、日産自動車「ノートe-POWER」も競争相手になります。

リセールバリュー/数年後に売却するときの価値

 フィットのようなコンパクトカーは新車時の販売台数が多いため、3年後には相応の車両が中古車市場に流通しています。つまり、供給量が多いために高値で売却するのは難しいですが、フィットは現時点で新型車なので、コンパクトカーでは有利な部類です。ホンダの残価設定ローンも、3年後の残価率(新車価格に占める残存価値の割合)を48%に設定しています。一般的にコンパクトカーは40~45%なので、フィットは高い部類に入ります。

これが結論!/このクルマの総合評価&コメント

★★★★☆

 フィットでは、コンパクトカーの特徴とされる運転のしやすさと低燃費に、快適な居住性と優れた積載性も加わります。特に現行型は、前後左右の視界、安全装備、運転支援機能、走行安定性、操舵感、ハイブリッドの運転感覚などを幅広く向上させたので、選ぶ価値が一層高まりました。ライバル車のヤリスと比べて、客観的に判断すると良いでしょう。

 ちなみにヤリスは、前席を優先させた設計で運転感覚も少しスポーティなので、主に2名で乗車する用途に適します。クルマ好きにもピッタリです。フィットは前述のように実用的が高く、3~4名で乗車するファミリーカーとしても使いやすいです。フィットでは多用途性がメリットになります。

(文=渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト)

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

渡辺陽一郎/カーライフ・ジャーナリスト

1961年生まれ。神奈川大学卒業。1985年に自動車雑誌を中心に扱うアポロ出版株式会社に入社。その後、同社で複数の自動車雑誌やアウトドア雑誌を手掛け、1989年に自動車購入ガイド誌「月刊くるま選び」の編集長に。1997年にはアポロ出版株式会社の取締役も兼任。2001年6月に40歳を迎え、同月に「カーライフジャーナリスト」の肩書でフリーランスに転向。

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