工事がいらないWi-Fi「ソフトバンクエアー」、使ってみて見えた“利点と難点”

SoftBank Air

 近頃、テレビCMの放映が目立つ“工事がいらないWi-Fi”こと「SoftBank Air(ソフトバンクエアー)」。2015年に提供が始まったサービスで、さほど新しいものではないが、名前が“こうじ”のタレントが次々と画面から退場するユーモラスな演出のCMを見て、気になっている人も少なくないだろう。

 そんなSoftBank Airは「Airターミナル」と呼ばれるルーターをコンセントに差すだけで、すぐに使えるWi-Fiサービス。通常、自宅にインターネット環境を整備しようとなったら工事日の予約や順番待ちに時間がかかるうえ、工事費もかさんでしまう。そんなストレスを一切感じずに高速のネット回線を導入できるというのが最大のウリだ。

 データ容量は使い放題で、通信速度は下り最大962Mbps(※エリアによる)。基本料金は月額4880円(税抜、以下同)だが、最初の12カ月間は「スタート割」で3800円となり、一般的な光回線と同等か、若干安めの設定だ(別途、契約事務手数料3000円)。さらに、ソフトバンクかワイモバイルのスマホユーザーが契約すれば、スマホ代の割引を受けられるという。

 しかしTwitterで「SoftBank Air」と入力すると、「SoftBank Air 繋がらない」「SoftBank Air ゴミ」といった、散々な検索候補が出てくる。どうやら、一部のユーザーからは評判が芳しくないようだ。

 そこで今回、新居に引っ越して2日目で、まだ自宅にインターネット環境が整っていない筆者が、実際に使い心地を体感してみた。

本体はソフトバンクショップで入手可能、8日間の“お試し期間”も

 ネットからでも申し込み可能だが、ルーターの到着までに数日かかる。新型コロナウイルスの影響でテレワーク中の筆者は、一刻も早くWi-Fiが欲しかったので、近所のソフトバンクショップへ出向くことに。

 スタッフに目的を話し、テーブルに案内されて必要事項を記入する。店内は空いており、10分としないうちに担当スタッフがやってきて、サービスに関する説明を始めてくれた。聞くところによると、“お試し期間”が設けられており、契約から8日以内であれば日割りの使用料はかからず、ルーターも無料で返還できるそう。もし使ってみて気に入らなくても、8日以内に判断すれば、金銭的なダメージはゼロということだ。

 実をいうと筆者は、この時点でもまだ光回線を引くかWi-Fiルーターを設置するかで悩んでいたのだが、お試し期間があると知り、安心して契約できた。良心的なシステムに感謝したい。

 諸々の契約手続きを済ませると、あっという間にスタッフがルーターを持ってきてくれた。担当スタッフがついてからここまで、実に30分という速さだ。

帰宅後10分で、本当にWi-Fi環境が整った!

 持ち帰ってきた紙袋から中身を取り出すと、CMでおなじみの“お父さん”がプリントされた箱が。中身はAirターミナルのコンパクトな本体、電源アダプタ、Wi-Fi設定情報ラベル、LANケーブル、Airターミナル接続ガイドという、シンプル5点セットである。

 ではさっそく、接続ガイドに従ってセッティングを進めていこう。箱の中身に不足がないか確認したのち、Airターミナルを設置。窓際など、高さのある場所に置くのが推奨されているようだ。

 アダプタを接続し、電源を入れると5つのランプが点灯する。この緑のランプが点滅、または赤のランプが出ていたら、電波や本体に問題がある合図らしい。

 異常はないと判断し、続いて中央のボタンを押す。3つの青いランプは電波の受信状況を表すそうで、筆者の自宅では2つ光っていた。よくはないが悪くもない、といったところか。

 最後に、Wi-Fi設定情報ラベルに記載されているSSIDと暗号キーを参照し、いざ接続。帰宅から10分経たずでネット環境が整い、もはや感動を覚えた。

ウワサよりも快適だが、娯楽コンテンツをよく使う人には不向き?

 さて、肝心の通信速度だが、ネット検索などの基本的な作業をする分には特に不便さを感じなかった。試しにYouTubeで動画を再生してみたところ、途中で止まってしまうこともない。筆者の自宅(東京23区内)は電波がいいほうだったのかもしれないが、ネットでは結構な数の悪評を見ていただけに、いい意味で拍子抜けだ。

 だがデータのアップロード・ダウンロードとなると一変し、通信が遅い証拠である“円がくるくる回り続けるマーク”が頻出するように。以前の環境では5秒で完了していたようなファイルのアップロードに、1分弱かかってしまった。

 大容量のデータの送受信や、ゲームや動画など容量の重いサービスを頻繁に利用する人にとっては、待ち時間が毎回長いようだと、フラストレーションが溜まるだろう。事実、「SoftBank Air」に不満の口コミを投稿しているユーザーは、エンタメコンテンツをよく使っている人が多かった印象だ。

 とはいえ新居暮らし2日目の筆者は、しばらく仕事をするためだけにカフェに入り浸る日々を覚悟していたので、Wi-Fiが即日使えるSoftBank Airにはかなり助けられた。Wi-Fiルーターとしての質はまずまずでも、とにかくすぐにネット環境を整えたいという人には、充分おすすめできる。

 電波状況や用途によって、満足度が変わってきそうだが、前述したようにお試し期間があるため、まずは使ってみて、自分との相性を確かめるといいかもしれない。

(文=福永全体/A4studio)

A4studio

エーヨンスタジオ/WEB媒体(ニュースサイト)、雑誌媒体(週刊誌)を中心に、時事系、サブカル系、ビジネス系などのトピックの企画・編集・執筆を行う編集プロダクション。
株式会社A4studio

Twitter:@a4studio_tokyo

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