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小早川隆治「日本のクルマづくり~さらなる志・凛・艶・昂を目指して~」

マツダ、モータースポーツ挑戦の原動力になった欧州レースの舞台裏

文=小早川隆治/モータージャーナリスト
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 ところが21時間10分ぐらいのところで1位の片山車(No.31)がエンジンバーストでリタイヤ、3時間ほど前にリタイヤした外人ドライバーの、『自分のドライブミスではない。エンジンが突然バーストした』という必死の訴えも聞き、直ちに3位走行中の片倉選手をピットインさせ、回転数ダウンの指示を出したが、このクルマも間もなくエンジンバーストによりリタイヤしてしまう。

 最後の1台にすべてを賭けるべく、残り1時間を切ったところでピットに入れ、約30分間ピット前に停車させた。次のドライバーのJ.ハインにゴールライン手前で待ち、1位が通過しチェッカーフラッグが降られたらゆっくり1ラップするように指示、彼はその通り実行してくれ5位入賞を果たすことができたが回転数アップによるエンジンバーストという大きな代償を払うレースとなった。翌年のFIAのイエローブックは『車軸上で+50mm』と書き換えられていた」

ロータリーエンジンのポテンシャルを実証

マツダワークスチームの出場車とドライバー
No.31:片山義美、武智俊憲
No.32:片倉正美、C.ベイカー
No.33:R.エネヴァー、J.ハイン
No.34:Y.ドゥプレ、P.Y.ベルタンシャン

●レース経過
2時間目:4-10-11-13位
8時間目:2-3-4-8位
12時間目:1-3-4-8位
18時間目:1-4-5-8位

●決勝結果
No.31:21時間11分 リタイヤ
No.32:22時間40分 リタイヤ
No.33:総合5位 4057.736km、169.072km/h
No.34:18時間35分 リタイヤ

 スパ・フランコルシャン24時間レースは24年に始まり、一時中断はあるものの、64年からは毎年開催されてきた市販車改造車レースの最高峰と呼ばれるレースで、もしマツダが71年に国内にシフトせず、もう一度挑戦していたらと思うところだが、81年に初代RX-7で優勝を果たすことができた。

 マツダ車以外にこれまでに優勝した日本車は91年のスカイラインGT-Rだけだ。68-70年のマツダの欧州レースの成果は導入直後のロータリーエンジンのポテンシャルを実証しただけでなく、その後のル・マン挑戦を含むモータースポーツへの挑戦の原動力となった。

(文=小早川隆治/モータージャーナリスト)

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