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5Gの隠れた本命企業アンリツ、明治時代創業だった…コロナ禍でも増収増益の堅実経営

文=編集部
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 しかし、関係が徐々に薄れてきたため、NECは保有株を売り出してきた。2011年にはNECの業績が悪化したためアンリツ株を売却、100億円の売却益を得た。この時点でNECの出資比率は22%から6.9%に低下し、アンリツは持ち分法適用関連会社から外れた。12年には残り株式を売却し、完全に縁が切れた。アンリツは独立系の計測機器メーカーとして活路を切り開いてきた。

通信規格の変動に業績は連動

 アンリツの20年3月期の連結決算(国際会計基準)は、売上高にあたる売上収益は前の期比7%増の1070億円、営業利益は55%増の174億円、純利益が49%増の134億円。利益率の高い5G計測機器の販売が好調だった。売上収益の4割を占めるアジアで、5Gの商用化でスマホ向けの計測機器が伸びた。

 21年3月期の売上収益は3%増の1100億円、営業利益は微増の175億円、純利益は1%増の135億円を見込む。業績予想は新型コロナウイルスが4~9月中に収束するとの前提に立っている。新型コロナの影響で顧客の掘り起こしが停滞したため、20年1~3月期の受注が伸びなかった。それでも世界各国で5Gの商用化が予定されており、5G端末の開発需要はアジア地域の伸びが大きいと予想している。

 懸念材料はある。売上高(売上収益)と利益は、ほぼ10年周期で訪れる通信規格の代替わりと連動してきた。特需が発生する半面、その後は反動減が出やすい。そのため業績と株価は山と谷を繰り返してきた。今回も5Gの商用化特需で連結純利益が19年3月期は同3.1倍の89億円、20年同期が1.5倍の135億円と2期連続で好調を持続してきた。問題はここから。山から谷への落ち込みをどれだけ平準化できるかだ。

自動運転用の新製品の開発がカギを握る

 これまでのようなスマホ頼みではなく新商品を開発する。今年1月、東京ビッグサイトで開催されたオートモーティブワールド。アンリツは自動運転用ソフトウエア開発の独dSPACE社と協業し、5G対応車のアプリケーション試験のデモンストレーションを行った。人の命を左右する自動運転を支える新製品で、どこまで新しい需要を開拓できるかが、今後を占う試金石となる。

 アンリツの株価の上場来高値は1986年の3660円。昭和の終わりのバブル期だった。5Gの大波に乗って、株価が突き抜けることができるかだ。5月11日の終値は2205円。高値と比較して、まだ6割の水準だ。株価は動き出すと速い。

(文=編集部)

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