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大戸屋、コロワイドと全面抗争へ…「自己都合で不適切な形で子会社化を強行」と非難

文=松崎隆司/経済ジャーナリスト
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 このなかでまず大戸屋HDの現任の取締役である代表取締役社長・窪田氏、取締役・山本匡哉氏、社外取締役・三森教雄氏、池田純氏、戸川信義氏の5名については、取締役候補についての事前の了解を得ていなかったという。またコロワイド側の社外取締役候補者である小濱直人氏、河合宏幸氏、田村吉央氏、鈴木孝子氏の4名についても、候補者たちと意見交換するために面談をコロワイドに申し入れたが、「コロワイドからは面談に必要な各候補者の連絡先の開示を拒まれており、実現していません」(窪田社長)という。

 なお、コロワイドの株主提案には創業者の故三森久美氏と同じ三森姓が2名いる。一人は久美氏の実兄にあたる三森教雄氏で、現任の社外取締役であり現経営陣を支持していると見られる。もう一人は久美氏の実子にあたる三森智仁氏で、現経営陣と激しく対立し「お骨事件」を引き起こして2016年に大戸屋HD取締役を辞任している。今回、コロワイドに株を譲渡し、コロワイドと組んで大戸屋HDの取締役への返り咲きを狙う構えだ。

 こうした状況のなかで大戸屋HD側は次のように結論づけた。

「株主提案側の取締役候補が企業価値向上のための具体的な経営戦略や子会社化の方法・条件を示さず、子会社化するという結論ありきで迫ってくるコロワイドのやり方を容認していることからも、大戸屋のことを真に理解しているとはいいがたい状況です」(窪田社長)

 では大戸屋HDは今後どのような経営を進めていくのか。

「中期経営計画では、『世界一美味しいごはん屋さん』という、大戸屋のありたい姿に向けて、大戸屋の未来を創るために、2つのことを明確にしました。ひとつは、私たちの独自性であり最大の差別化要因である店内調理という強みは絶対に変えないということ。もうひとつは、お客様のニーズに合わせて、メニュー・店舗・販売チャネルなどを徹底したお客様目線で進化させていくということです」(窪田社長)

 こうした新たな改革をやり抜き、3年後の2023年3月期には286億円の売上、9億6,000万円の経常利益、ROE5.6%を目指すという。

大幅なスクラップ&ビルド

 大戸屋HDでは今回、世代別に約3000人の利用者アンケート調査やインタビューを実施。都心部と郊外、都市部と地方など地域により事情が大きく異なることが浮き彫りになり、チェーン店としての一律対応ではだめだということが明らかになったという。これまで大戸屋HDは「健康的で美味しいごはん」をコンセプトに、メニュー数90種類、店舗面積50坪(60席)、客単価は880円程度で全国一律、国内350店舗、海外120店舗を展開してきた。

 しかし、これまで一律に展開していた店舗を「ビジネス立地」「駅前住宅・商業立地」「ショッピングセンター・ロードサイド立地」の3タイプに分類。ランチ客の多い「ビジネス立地」には「街大人スタイル」としてメニュー数を30に絞り込み、店舗面積は50~60坪、客単価は800円程度に抑える一方で、ボリュームのあるメニューなども開発していくという。またオペレーションは従来の7~8人(厨房・ホール)から5~6人でも対応できるようにするという。

「メニューを大幅に絞り込むことで店内のオペレーションがスムーズになり、さらにコストダウンが図れる」(大戸屋HD広報担当者)

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