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テレ朝、驚異の人気女子アナ育成術…入社当日にデビューした宇賀なつみ、斎藤ちはる

文=上杉純也/女子アナウォッチャ―
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注目新人の安藤萌々アナ(「テレビ朝日 HP」より)

 昨年春の改編期、テレビ朝日が思い切った人材起用をみせて話題をさらったことを覚えているだろうか。

 4月1日の入社日当日に、まさに新人1年目として入社する斎藤ちはるアナウンサーを朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングジョー』の2代目アシスタントMCに、いきなり大抜擢したのだ。

 しかも斎藤アナは、人気アイドルグループ・乃木坂46の元メンバーだったことから、当然のように大きな関心を集めることになった。

 そんなテレ朝は、今年も新人女子アナを4月デビューさせているのだ。しかも、今年採用した3人すべてを、である。それが安藤萌々アナ、渡辺瑠海アナ、そして佐藤ちひろアナだ。

 とはいえ、これだけ新人女子アナを早々とデビューさせていると、「小川彩佳や宇賀なつみといった人気女子アナが相次いでフリーに転身したから、人材不足を解消するために焦ってぶっつけ本番よろしく起用したんじゃないのか?」と思う人も、なかにはいるかもしれない。

 だが、これは「ノー」である。というのも、テレ朝が新人研修も終わらないうちに新人アナを現場デビューさせるのは、今に始まったことではないからだ。

 というワケで、今回はテレ朝の新人女子アナでいきなりの4月デビューを果たした人材を一挙紹介する。過去にこれだけ存在するという事実に驚愕する。

4月1日にデビューした宇賀なつみアナ

 記念すべき第1号となったのは、2003年入社の前田有紀アナだ。実はこの年のテレ朝には、前田アナに加えて市川寛子アナと大木優紀アナの計3人が入社。のちに3人全員が人気女子アナになったという“当たり年”だった。そしてそんな人気3人娘のなかでも前田アナは、なんと入社わずか6日日にして、現在も放送中の人気サッカー情報番組『やべっちFC』の進行アシスタントに抜擢されたのである。まさに1番星として輝いたワケだ。

 この番組での前田アナは、メインMCである矢部浩之(ナインティナイン)から、ことあるごとにその天然ぶりをイジられ、一気に注目度がアップ。人気を獲得していくにつれ、スボーツ番組だけでなくバラエティ番組でも欠かせない、局の看板女子アナへとなっていったのだった。

 だが、である。まだまだ活躍できるはずの32歳の13年3月、英ロンドンへ留学するという理由でテレ朝を退社。現在はフラワーアーティストとして活動している。

 2番目に4月デビューを飾ったのも、これまたのちの人気アナである。今や“堂ちゃん”の愛称も懐かしい堂真理子アナがその人。04年4月の入社からわずか8日目で、あの『ミュージックステーション』の7代目サブMCに大抜擢されたのだ。

 そこから約4年5カ月、08年9月まで同番組を担当していたが、その間には朝の情報番組『やじうまプラス』のメインMCやゴールデンの人気バラエティ『ナニコレ珍百景』の初代進行アシスタント、そして深夜バラエティの『草野☆キッド』にも進行補佐役で出演するなど、さまざまなジャンルの番組で欠かせない人気女子アナとなっていった。

 私生活では、08年に仕事で知り合った会社員の一般男性と結婚。現在は2人の子供を持つ“ママさんアナ”として『大下容子ワイド!スクランブル』などで活躍中だ。

 3人目は、入社日の4月1日にデビューを飾ったテレ朝史上第1号となった人物である。それは昨年4月からフリーアナウンサーに転身した宇賀なつみアナだ。

 それは09年のこと。入社式もそこそこに彼女が担当することとなった番組は、なんと局が誇る夜の看板報道番組である『報道ステーション』。2代目気象キャスター就任という大役だった。この入社式当日の夜デビューは、昨年入社の斎藤ちはるアナに抜かれるまで同局だけでなく、在京民放キー局においては新人女子アナの最速デビュー記録となっていた。

宇賀超えを果たした斎藤ちはるアナ

 そしてその最速デビュー記録を更新したのが、宇賀アナが初代アシスタントMCとして出演していた朝の情報番組『羽鳥慎一モーニングジョー』に、当の宇賀アナの後任として2代目アシスタントMCに抜擢された斎藤アナだったというから、なにやら因縁めいている。ちなみに、入社式はこの日の生放送が終わってから行われた。

 さて、『報ステ』で華々しいデビューを飾った宇賀アナだが、その気象キャスターを11年8月半ばまで務め、そこからスポーツキャスターへと番組内でポジションをチェンジ。14年3月で同番組を卒業すると『池上彰のニュースそうだったのか!!』で進行役を、さらに朝の情報番組『グッド!モーニング』のメインMCを1年半担当し、着実に局の看板女子アナになっていった。

 そして、15年秋からは朝のワイドショー『羽鳥慎一モーニングショー』の初代サブMCに起用され、同番組の高視聴率獲得に大貢献したことは記憶に新しい。

 現在はフリー転身後初の自身の冠番組となった『川柳居酒屋なつみ』が、深夜番組ながらも好評を博している。またテレ朝以外の番組へのゲスト出演も目立つようになっているが、さらにこの4月からは、関西テレビ制作・フジテレビ系列で土曜朝8時30分から放送されている情報バラエティ『土曜はナニする?』で女性のメインMCを担当することとなり、テレ朝以外での初のテレビ地上波レギュラーを持つこととなった点にも注目したいところだ。

 4人目は、この宇賀アナと同期入社した人物である。09年に入社した女子アナは2人いるのだが、要は2人とも“4月デビュー”を果たしているのだ。その女子アナとは、加藤真輝子アナだ。宇賀アナから遅れること5日、4月6日に朝の情報番組『やじうまプラス』の気象キャスターとしてデビューした。

 実は、テレ朝が放送する平日朝の情報番組では、2000年秋以降(当時は『やじうまワイド』)、フリーの女性キャスターが常に天気コーナーを担当していたが、彼女の起用により、約8年半ぶりに局の女子アナが朝の時間帯にお天気を担当することとなったのだ。

 その後は、11年4月から局が誇る夕方のニュース番組『スーパーJチャンネル』のサブキャスターなどを担当し、主に情報・報道番組で活躍。15年7月には同期入社した男性社員と結婚している。17年の春改編から産休に入り番組を降板していたが、19年5月に復帰を果たした。

新人2人が同日デビューした16年入社組

 この09年入社組は同期の2人が揃って4月デビューを果たしたワケだが、なんとその7年後、16年入社の新人2人組は、揃って同日デビューを果たしている。それは入社からまだ2週間もたっていない4月11日だった。午前に放送されている人気情報・ワイドショー番組『ワイド!スクランブル』(現『大下容子ワイド!スクランブル』)のお天気コーナー担当で桝田沙也香アナが、そして夜の看板報道番組『報道ステーション』で森川夕貴アナが気象情報担当で視聴者の前にその初々しい姿をお披露目した。現在、桝田アナは夕方の『スーパーJチャンネル』のフィールドキャスターや土曜夜の『サタデーステーション』のスポーツコーナーなどを担当している。

 一方の森川はデビューを飾った『報道ステーション』で、現在は月~木曜日のサブキャスターと金曜日の女性メインキャスターを務めるなど、活躍している。

 そしてもう1人。それは19年入社の下村彩里アナである。昨年入社組というと、冒頭でも触れたように、どうしても斎藤ちはるアナが目立ってしまうが、斎藤アナと同期の下村アナも堂々たる4月デビューを飾っているのである。

 4月1日にデビューした斎藤アナから4日遅れの5日、『報道ステーション』のお天気キャスターとしてアナウンサーデビューを果たしている。当初は金曜日だけの担当だったが、現在は月~金曜日を通しての担当。気象予報士の喜田勝とのフレッシュな掛け合いが見どころのひとつだ。 以上が過去に4月デビューを果たしたテレ朝の歴代新人女子アナである。

今年入社の3人にも注目

 最後に、今年入社の3人について触れておこう。なかでもいきなり脚光を浴びたのが、安藤萌々アナだ。1年先輩の斎藤アナ同様に4月1日デビューを果たしたのだが、その番組が早朝の情報番組『グッド!モーニング』だった。この番組は毎週月~金曜日の朝4時55分から8時に放送されており、つまりは昨年斎藤アナが打ち立てた新人女子アナのデビュー最速記録を安藤アナが塗り替えるかたちになった。

 2人目が佐藤ちひろアナ。4月5日から毎週日曜日の夕方に放送されている『サンデーステーション』のお天気コーナーを担当している。

 3人目が渡辺瑠海アナ。この渡辺アナのデビューはちょっと変わっていて『あの人が「いいね」した一般人』という毎週月曜日深夜に放送されているバラエティのナレーションである。ナレーションだから当然のように顔が映らないのが、かえすがえすも残念。とはいえ、これが地上波に限定しなければ、4月14日からインターネットテレビの『ABEMA Prime』(Abema TV)の火・金曜日の進行キャスターを担当しているので、もし彼女の生でしゃべる姿を観たいという方は、そちらをご覧いただきたい。 

 このようにニューフェイスの売り出しに関しては、今年もテレ朝は他局に一歩先んじた感がある。

 だが、研修開けには他局も一斉に今年の新人女子アナをお披露目するだろう。そこにはテレ朝勢の3人に負けないくらいの逸材が必ず潜んでいるハズだ。そのデビューが今から待ち遠しい。

上杉純也/フリーライター

上杉純也/フリーライター

出版社、編集プロダクション勤務を経てフリーのライター兼編集者に。ドラマ、女優、アイドル、映画、バラエティ、野球など主にエンタメ系のジャンルを手掛ける。主な著作に『テレビドラマの仕事人たち』(KKベストセラーズ・共著)、『甲子園あるある(春のセンバツ編)』(オークラ出版)、『甲子園決勝 因縁の名勝負20』(トランスワールドジャパン株式会社)などがある。

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