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文筆家・森下くるみがテレビを斬る!「エンタメとしての料理番組」第4回

メキシコの巨大渓谷、マレーシアの無人島…男2人のリアリティ番組的海外料理番組がヤバイ

文=森下くるみ

マタギの精神に通ずる生き物への畏怖の念

『サバイバル・男気クッキング』の面白さはほかに、シェフのマットが起こす”致命的ミス”だ。せっかく仕留めた獲物を黒こげにしたり、食っちゃいけない植物をジョシュに与えて体調不良にさせたり、「お前ホントに経験豊富な料理人か!?」というツッコミ待ちなことをするので、こちらも大いにご期待ください。

 それと、最後に一番大事なことを。番組アタマに出る「不用意な野生食は危険を伴います」というテロップは感染症への警告である。現在コロナ禍にあって、原因は、もともとはコウモリを宿主としていたウイルスではないかという説がある。人間はその気になれば猿でもサソリでもなんでも口にするけれど、リスクがあるのを忘れるなということ。

 そしてジョシュとマットは当然ながらお遊びで狩りをしているわけではないのだけど、ちょっとでも「生き物を殺すのはかわいそう」とか思う方は観ないように。

 ジョシュには生き物や自然への畏怖があって、獲物の一部を儀式的な所作で木や土に還しているのを見たとき、これはわたしの故郷・秋田にいるマタギの精神に通ずるものだなぁと感慨深くなった。

 タイトルの「男気クッキング」は実にキャッチーで個人的に気に入っているけれど、この番組の本質は、原題「KINGS OF THE WILD」に象徴されるのかもしれない。

(文=森下くるみ)

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森下くるみ(もりした・くるみ)
1980年、秋田県生まれ。文筆家。著作に『すべては「裸になる」から始まって』(講談社、2008年)、『らふ』(青志社、2010年)、『36 書く女×撮る男』(ポンプラボ、2016年)など。<Twitter@morikuru_info

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