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独居老人を死に追いやる“病原菌まみれ”のゴキブリ&ネズミ…死亡現場のおぞましい実態

文=菅野久美子/フリーライター
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 しかし、上東がもっとも恐れるのは、害虫(ゴキブリ、ダニ等)、ネズミ、ホコリ、カビだ。特にネズミは、E型肝炎、鼠咬症、腎症候性出血熱、ペスト、レプトスピラ症(ワイル病)ハンタウイルス肺症候群などの病原菌を媒介する。全身が病原菌まみれで、排泄物や唾液にも含まれる。そして、尿を垂れ流しながら移動し、部屋中に菌を振りまく。

「ネズミがこんなに危険な病気を媒介するなんて、怖いと思いませんか? さいわい、現代日本の衛生環境では、危険な病気が爆発的に感染することはほとんどないだろうと考えられます。しかし、僕の仕事の上では身近にあることなのです」

 家主が亡くなって、1年以上家財道具がそのままの状態で空家になっている場合に多いのが、ネズミ物件だ。特に、一軒家は要注意だ。ネズミはゴキブリを補食し、ゴキブリはダニなどを補食する。部屋のあちらこちらにラットサイン(齧った跡、糞尿)が目立つ家には、逆にゴキブリはいないと思っていいのだという。

「ネズミは、自分たちのテリトリー(一軒家)などで繁殖しても、食べる量を超える数に子供が増えれば間引きして、共食いをします。そうやって一定のコミニティー数を保ち、それでも食料に限界が来たら移動する。すでにほかのネズミがいれば、そこには侵害せずに遠くに移動する習性も持つんです。コロナウイルスをきっかけにして、ぜひ自分の家の環境を見直してみてくださいね」

 あなたの家にもすでに住み着いているかもしれない、身近な侵略者であるネズミ。実は、かなりデンジャラスな生態で人を脅かしているのだ。

ゴキブリが媒介する病気

 ゴキブリから検出される病原体から重篤な病気につながることがある。サルモネラ菌は食中毒を引き起こすし、チフス菌は腸チフスを引き起こす。最近では、胃がんや胃潰瘍の原因となるピロリ菌もゴキブリが媒介しているという説も飛び出している。毒性が高い危険なウイルスや菌を持っていることも多い。ゴキブリは特殊な膜に覆われており、自らは雑菌はもろともせず、部屋中に菌をまき散らすという厄介な生き物なのである。

 ある日、上東氏はゴミ屋敷と化した1DKの部屋の片づけを依頼された。そこは、とてつもないゴキブリ屋敷だった。この部屋の住民の70代の女性は網膜剥離でほとんど目が見えず、大量のゴキブリの存在に気づくこともなかったらしい。買い物をしても、食べ物をそのまま放置してしまうため、虫たちの楽園と化していたのだ。

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11:30更新
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