クックパッドの凋落、利用者1千万人減で赤字転落…人気のクラシルと真逆の方向

SNSと動画系メディア台頭の波に乗り損ねた

 そんな人気が陰ってきたのは、どういう背景からなのだろうか。

「それはSNSの存在が非常に大きいでしょう。SNSで爆発的に人気になった“レシピ動画”の潮流に、クックパッドは乗り遅れたのです。現在、クックパッドを追い抜いたクラシルやDELISH KITCHENといったサイトは、訴求力の高い動画を武器にしてSNSに乗り込み、密接にSNSと連携した展開を推し進めています。そもそも動画というもの自体が料理レシピと相性が良いんです。文字と写真だけで調理工程を追うより、動画で見たほうがわかりやすいですからね。

 ただ、クックパッドも指をくわえて見ていたわけではなく、2017年頃から動画レシピを打ち出し始め、2018年にはレシピ動画アプリを制作する子会社cookpadTVを立ち上げています。翌年の4月には競合アプリとの差別化を図り、Live配信にフォーカスした cookpadLiveもリニューアルしました。ですが、正直なところ、時すでに遅しだったのです。大量のCMを打っていたクラシルやDELISH KITCHENのシェアを奪うには至らなかったのが、現在の凋落の原因でしょう」(久保田氏)

 また、こうした動画系メディアが瞬く間にユーザーの間に広まったのには、“料理に対する意識が変化してきた”ことも大きいと久保田氏は語る。

「クラシルやDELISH KITCHENの料理は、基本的にプロのスタッフがつくっています。これはつまり、高品質なレシピが一発で手に入るということ。クックパッドの屋台骨だった“膨大なレシピからお気に入りのものを選ぶ”というスタイルと正反対です。そして、クラシルやDELISH KITCHENが支持を得ているというのは、ユーザーが“自ら検索する”のではなく、最適なものを“オススメされる”ことを望み始めている変化の顕れでしょう。

 共働き世帯が増加するなどの影響で、料理に対する姿勢が“能動的”から“受動的”なスタイルに移り変わってきたのかもしれませんね。SNSで時間を消費するユーザーが増えるなかで、クックパッドが構築していたスタイルは、時代の波に乗り遅れてしまったのではないでしょうか。さらに言うなら、高評価のレシピに早くたどり着ける機能を、課金して得られるプレミア機能に組み込んでしまっていることも、こうした流れにクックパッドが逆行してしまっている顕著な例になってしまいました。かつてはドル箱だった稼ぎ頭も、今となっては、ユーザーが求めていることから離れてしまいました」(久保田氏)

 ユーザーの求めるところと企業の舵取りのズレという面で、クックパッド経営者の変化も一部には影響しているという。

関連記事
編集部イチオシ企画
Pick Up News

RANKING

IT

ビジネス

総合

SNS