失業手当、支給日数を60日延長へ…生活困窮者に最大80万円まで無利子で貸付、返済免除も

前回の記事では、新型コロナウイルスの影響で収入が減ってしまった人が使える「免除」や「猶予」について、「国や地方自治体に申請するお金」の中から、各種税金、国民健康保険料、国民年金保険料、水道料金の制度をお伝えしました。
今回は、休業や失業に関するお金について見ていきましょう。
最大80万円まで無利子で貸付、返済免除も
3月25日から、地域の社会福祉協議会などを窓口として、新型コロナの影響で困窮している人への「生活福祉資金貸付制度・緊急小口融資」が拡充されています。すでに小口融資という制度はあって、「困窮して一時的にお金が必要な人」に対して、上限10万円を上限に1年以内の返済条件(2カ月以内)で無利子の貸付を行っていました。
これを、新型コロナの影響で店を休んだり働けなくなったりした人を対象に、上限の10万円を20万円に引き上げ、かつ償還までの期間を2年に延ばしました。さらに、「収入の減少や失業で、生活に困窮している人」に対しての融資も拡充していて、2人以上の世帯だと月20万円、単身者だと月15万円を、10年以内の返済条件(据え置き期間6カ月以内)で、最高3カ月まで貸し付けています。
金利は、保証人がいれば無利子、保証人がいなければ1.5%。新型コロナの影響で生活が困窮した場合は無利子で、据え置き期間も1年に延びます。つまり、夫婦だったら月20万円×3カ月で計60万円のお金が借りられるということです。
さらに、この2つの制度は併用して使うことができるので、新型コロナで収入が減っている人は、最高80万円まで無利子で借りることができるようになっています。加えて、ここがポイントですが、もし返済期限になっても生活が困窮していて返せない状況であれば、このお金は返済しなくてもいいことになっています。
「今回の特例措置では、新たに、償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができる」と明記されているからです。返せればいいですが、もし返せない状況が続いていたとしても、その状況なら返さなくてもいいかもしれないので、困っている人はぜひ、こうしたお金があることを覚えておきましょう。
「雇用調整助成金」も第二次補正予算で拡充
経営が悪化しても雇用を維持する事業者に休業手当などの一部を補助する「雇用調整助成金」の支給要件が、新型コロナの影響を受けている人には緩和されています。新型コロナの影響を受けている事業者は、全業種にわたって1カ月で10%以上売り上げが落ちていたら、休業手当に必要とされた費用の一部を助成してくれます。
助成割合は、大企業が2分の1、中小企業は3分の2。つまり、給料30万円の人なら、大企業だと15万円、中小企業だと20万円を国が出してくれるというものです。ただし、対象労働者1人当たり8330円だった上限を、第二次補正予算では1万5000円まで引き上げることになっています。
ちなみに、緊急事態宣言の発動で活動の自粛を求められていた地域の会社では、助成金の割合は上がり、大企業は3分の2、中小企業は5分の4となりました。さらに、この補償割合も緩和され、中小企業では10分の10、つまり全額補助されることになりました。対象期間も9月末までに延長されています。
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