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コロナ・持続化給付金、電通が巨額税金“中抜き”疑惑…パソナと“トンネル法人”設立

文・構成=編集部

 ところが、答弁に立っている経産省のみなさんに悪びれたところはありません。「配っているんだからいいじゃないのか」とそういう姿勢に終始しています。

――確かに給付事業に関して、経産省や中小企業庁の本体には人員やノウハウはありません。公平性や透明性を犠牲にして、作業的な効率を追い求めた結果ともいえると思います。

川内 日本にはさまざまな優秀な団体が山ほどあります。例えばサービスデザイン推進協議会が受託している事業承継補助金事業では、国会での質疑で2社応札であることがわかりました。サ協とともに、応札したもう1社は全国商工会連合会でした。事業承継の補助金の交付については、ノウハウや各事業者の実態把握の有無などから考えれば、商工会連合会こそがふさわしいのではないでしょうか。

 他にも去年、大学入試改革の問題で議論させて頂いたベネッセさんの例をあげれば、学生さんのアルバイトを瞬時に数万人集めることができる組織力がありました。いろんなところが可能性を持っている。電通、パソナグループだけではないのです。ほかにもたくさんの可能性があるのにもかかわらず、「電通ありき」と決めつけて、トンネル団体を通して事業を発注し、「別に違反していない」と言い張るのは生産性や成長戦略を言っている人たちがやることではありません。

 世の中には、法律があり、スポーツにもルールがあります。だけど、法律には背かない、ルールにも反していないかもしれないけれど、「ズルいな」とか「セコイな」と思うことはいっぱいあります。そういう「ズルいやり方」を経産省は正当化している。そして、同時に自分たちでもズルいやり方だとわかっているんですよ。だから開き直らざるを得ない。

 新型コロナウイルス感染症の問題は、みんなが助け合う、みんながお互いで知恵を出し合うことでしか乗り越えられない。誰かひとりの英雄やエリートが苦境を救ってくれるわけではないのです。だからこそ1円でも多く必要とする人に配れるようにするために、真剣に考えてほしいのです。

――川内議員は直接、サービス推進協議会の事務所を先々週、訪ねられたとのことですが。

川内 責任者の常勤理事どころから、従業員の方もいない。『リモートワークです』という張り紙はしてありましたが、2兆3000億円を配る団体に、本当に誰もいないというのは驚きでした。

――公共事業を取り扱っている企業の多くは、コロナ感染症に伴う自粛中であっても、公金の会計・経理に関し不明な点や不要な疑義を招かないために、責任者や担当社員が出社して、その都度きちんとダブルチェックをしています。医療関係の事業者などは特にそうです。「公の事業だから休めない」という話もよく聞かれます。

川内 しかもサ協には電話番号もありませんでした。そういう団体を、経産省は「しっかりした団体なんです」と一生懸命おっしゃるのです。サ協は一般社団法人法で定められている決算公告を官報に公告することさえしていません。果たして、これでしっかりした団体と言えるのでしょうか。トンネル団体だと、言わざるを得ません。少なくとも、経産省も実質的な仕事は電通以下が行うことを認知しています。

 この問題の一番の重要な点は、国が契約しているのはサ協なので、国が検査できるのはサ協のみという点です。そこから先の再委託や外注に関して、国は基本的に触ることができません。国家にとって、納税者にとって、それはダメでしょうということが、実は電通以下の企業グループにとっては最も旨味になる。

――元が公金であっても、再委託してしまえば透明性の確保が必要なくなるということでしょうか。

川内 経産省は「公共工事は情報公開の義務が明記されているが、公共調達はそこまで求められていない」と答弁しています。財務大臣が出した「公共調達の適正化について」という通知には、公共工事に関してはそうしろと書いてあるが、調達に関しては書いていない。確かに本文には書いていないけれど、前文に透明性は大事だと書いてあるわけです。ルールに書いていないとか、法律に書いていないとか言って、ズルいことをするのは国民の理解を得られないですよ。これほどみんなが苦しんでいるのですから。

――サ協は国の公募の前に、自前のドメインを取得していました。

川内 本来は膨大な個人情報・法人情報を扱うわけですから、政府関係のドメインは「go.jp」でなければならないはずです。サ協は「.jp」というドメインを取得して情報を集めいている。あってはならないことです。プライベートなドメインで国家の事業をしていることになります。本来は経産省が、落札業者が決まった時点で、「www.jizokuka-kyufu.go.jp」を取得した上で、落札業者に使ってもらうというのが筋だと思います。

――電通関連会社では、東京五輪の中止以降、「でも大丈夫だ」という噂があったそうです。

川内 政府のコロナ対策は東京五輪への未練があって後手にまわりました。五輪の延期が決まって、さあどうしようかとなった。そして、五輪をあてにしていた人たちがコロナに便乗してビジネスモデルをつくる。私たち庶民からすれば、「みんなはこんなに苦しんでいるけれど、どんな時でも美味しいごはんを食べれる人たちはいるんですね」と言いたくなります。

――コロナで利益を確保するために、まともな入札も行われないまま特定の企業が受注するのはフェアなんでしょうか。

川内 僕はずるいやり方だと言わざるを得ないと思います。独占禁止法、官製談合防止法、補助金適正化法などに違反している可能性もあると思います。一つひとつ事実を明らかにして、改めるべきところは改めていただくようにしたいと思っています。

(文・構成=編集部)

 

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