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梅原淳「たかが鉄道、されど鉄道」

鉄道、なぜ機関車は引張力の50倍の重さの列車を動かせる?鉄道、隆盛の秘密はレール?

文=梅原淳/鉄道ジャーナリスト
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 仮にゴムタイヤが19世紀初めに実用化されていたとしても、いまのように強力なエンジンや舗装された道路がなければ自動車は使い物にならなかったであろう。小さな力で多くのものを動かせる鉄道の特性があったこそ、19世紀初めから陸の王者として君臨できたのだ。

 蛇足ながら、レールの上を走る鉄道の特性をわかりやすいように身近なものにたとえると、アルミサッシの窓が挙げられる。アルミサッシの窓の開け閉めを力の弱い人でも容易に行えるのは、窓に戸車が付いていて、まさにレールの上を動いているからにほかならない。

 昔の窓はいまのようなアルミサッシではなく、木の枠にガラスが取り付けられていた。窓は敷居の上に直接載っていて、開け閉めしやすかったという記憶は少なくとも筆者にはない。大体途中で引っかかり、一度押したり引いたりして窓をなんとかして動かしたものだ。

 19世紀初めの人たちが木の車輪に鉄の輪がはめ込まれた車輪が付いた馬車やトロッコに対して抱いた感情は、開け閉めしづらい木の枠の窓と似通っているであろう。だからこそ、レールに活路を見いだし、鉄道が隆盛を迎えたのである。

(文=梅原淳/鉄道ジャーナリスト)

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