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鈴木貴博「経済を読む“目玉”」

中年男女の4割が不倫経験あり…渡部建を批判する人が知っておくべき3つの数字

文=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役
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 アンジャッシュ渡部建さんの不倫が「週刊文春」(文藝春秋)に掲載され、渡部さんは活動を自粛してレギュラー番組やCMを降板する事態に発展しています。

「あれだけ美人の奥さんとお子さんがいるのに」と妻の佐々木希さんを気遣いながらネット民の怒りは渡部さんに向かっています。メディアの報道も同様で、渡部さんの行為に関してはほぼ擁護の余地がないような状態になっているわけです。

 さて、読者の皆さんもご存知かもしれませんが、私は経済評論家であると同時に地下クイズの専門家でもあります。地上波で流れる普通のクイズ番組ではなく、芸能スキャンダルや事件・犯罪のようにアンダーグラウンドの話題を取り扱うのが地下クイズというジャンルです。そして今回のような不倫騒動は地下クイズの定番ジャンルでもあります。

 そこで今回の記事では、地下クイズ王でありビジネスと社会学の専門家でもあるという立場から、渡部さんを批判する世論のメカニズムを解明してみたいと思います。キーワードは不倫に関する3つの数字です。

ファクト1:不倫を許容する人は15%しかいない

 あなたは有名人の不倫についてどう考えますか? 私はあえていえば「そんなの関心ない」という立場です。どうでもいいことだと思ってますし、実際に地下クイズでもこのジャンルは私は関心が低いせいであまり強くありません。

 不倫についての世論調査がいろいろあるのですが、だいたい世の中の2割の人は私のようにこの問題についての関心がないようです。逆にいえば世の中の8割はこの問題に結構な関心を持っている。これが不倫問題がメディアで盛り上がるポイントです。

 では、その関心が高い8割の人たちが「不倫は悪いことなのか、それとも良いことなのか?」どちらの考えなのかということですが、そういった人たちの実に85%は「不倫は悪いことだ」と考えています。

 ここが不倫バッシング現象の最大のポイントで、不倫の問題が持ち上がると視聴者や読者の関心が高く、それを叩く人の数が圧倒的に多数派になるわけで、番組や記事の論調はそれを反映することになります。

 ところがこの話とは一見正反対に見える事実もあります。日本は世界の中でみると上位10位に入るぐらい不倫に関しては寛容な国だという事実です。世界でもっとも不倫に寛容な国はフランスですが、日本も数字で見ると実はフランスと同じくらい不倫に寛容な国なのです。

 リスト教にしてもイスラム教にしても、不倫は宗教的に認められていないこともあり、世界の他の国々の不倫に対する目は日本以上に厳しいのです。そして先ほどの85%という数字の残りである15%が不倫を許容する考えを持った人の数なのですが、この程度の数でも世界全体から見れば許容率が高いほうだということなのです。

ファクト2:不倫をしたことがある人は40%

 さて、このように日本社会には不倫を容認しない空気が蔓延しているわけですが、では既婚者のなかでどれくらいの人が不倫経験があるのでしょうか。

 これもいろいろな調査がありますが、中年男女でいえばだいたい40%の人が過去ないしは現在に不倫経験があると答えています。これが社会学的にいうとまた微妙な数字なのです。

 キリスト教のエピソードに、罪人に石を投げる人々にイエス・キリストが「あなたたちのなかで罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」と言ったところ、誰も石を投げることができなくなったというものがあります。

 ところが日本の不倫の場合はそんなことはなくて、60%の人は不倫をしたことがない。過半数が不倫経験がないから自信満々で不倫をした有名人に石を投げることができる。統計学的にいえば、かなり自粛警察側の力が強くなる構造を持っているのが不倫問題なのです。

ファクト3:不倫相手がいる男性は25%、女性は20%

 では、過去ではなく現在進行形で不倫している男女はどれくらいいるのか? これもさまざまな調査がありますが、なべていえば男性の25%、女性の20%が現在進行形で不倫をしていると答えています。

 回答が男女で同数にならないということは、論理的にいえば男性に二股をかけている女性が多いということになりますが、まあそこは今回は置いておきましょう。男性の4人に一人、女性の5人に一人が不倫をしているというのは、これはちょうど日本社会における喫煙者の比率に非常に近い数字です。

 この4月から改正健康増進法が発動されて居酒屋や喫茶店でも喫煙席がなくなりました。喫煙者は社会の中で年々肩身が狭くなってきているのですが、不倫も偶然同じ比率だということは、今や世の不倫カップルは喫煙者同様の肩身の狭い思いをしているということが容易に想像できる数字です。

社会学的に正しいスタンスとは?

 さて、この3つの数字を前提に、もういちど渡部さんの不倫問題の本質はなんなのかを考えてみたいと思います。

 ひとつは経済学の視点からの結論ですが、バラエティ番組やCMからの降板は経済学的には仕方がないということになります。民放の番組はスポンサーからの広告料でつくられているわけですから、国民の大多数が「よくない」と考えていることをしているタレントを使う必要は経済学的にはないわけです。

 過去にも不倫スキャンダルを起こしたタレントやアナウンサーがテレビから消えていく現象がたくさん起きていますが、経済的にはこの現象は間違っていない。人気タレントだって人数は山ほどいるのですから、渡部さんのようなオンリーワンの特徴を持ったMCですら代わりになれるタレントは何人も控えている。経済の視点では残念ながら渡部さんには不利なメカニズムが働いてしまうわけです。

 一方で社会学の視点からみて、渡部さんバッシングはどこまで正しいのでしょうか。実はこれは古典的な政治の対立軸である保守対リベラルの対立構造を考えるべき微妙な社会問題になってくるのです。

 わかりやすく説明すれば「世の中は伝統を重んじるべきで、なるべく変わらないほうがいい」と考えているのが保守派の人たちです。それに対して「世の中はどんどん進化するし人間は自由であるべきだ」と考えるひとたちがリベラルです。

 実は不倫をせずに配偶者だけを終生愛すべきだというのは、終戦直後にアメリカから日本に輸入されたアメリカ人の保守思想です。戦前は政治家にしても経営者にしても愛人を囲うのが当たり前で、誰も政治家の不倫を非難したりしませんでした。当初は海外の思想だったとはいえ、「不倫は悪い」という思想は日本でも75年間の伝統がある保守的な考え方として社会に根付いているともいえるでしょう。

 その半面、信教の自由は大半の先進国で認められていますし、日本国憲法でも定められている大切な人権です。保守派の人は「社会の構成員に不倫などしてほしくない」と考える自由はあるのですが、リベラル先進派の人が「不倫だって別にあってもいいじゃないか」と考える自由を制限することはできない。

 異なった考え方の国民が社会のなかで折り合って生きていく権利をお互いに過度に侵害してはいけない。これはどんなに少数派の考えでも、別の考えがあることは多数派は尊重しなければならないのです。そして、ここをはき違えて保守的な行動がエスカレートしてしまうと、先日SNS上で起きてしまった木村花さんのバッシングによる自殺事件のようなことが起こってしまうのです。

 つまり結論としては、

「自分としては容認できないが、番組出演の自粛を決断したという前提でいえば、あとはこの問題は渡部さんと佐々木さんの個人的な問題なのだ」

として、騒動が終わったら、そーっとしておいてあげるべき問題なのだというのが、社会学的には正しいスタンスだということなのです。

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役

事業戦略コンサルタント。百年コンサルティング代表取締役。1986年、ボストンコンサルティンググループ入社。持ち前の分析力と洞察力を武器に、企業間の複雑な競争原理を解明する専門家として13年にわたり活躍。伝説のコンサルタントと呼ばれる。ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)の起業に参画後、03年に独立し、百年コンサルティングを創業。以来、最も創造的でかつ「がつん!」とインパクトのある事業戦略作りができるアドバイザーとして大企業からの注文が途絶えたことがない。主な著書に『日本経済復活の書』『日本経済予言の書』(PHP研究所)、『戦略思考トレーニング』シリーズ(日本経済新聞出版社)、『仕事消滅』(講談社)などがある。
百年コンサルティング 代表 鈴木貴博公式ページ

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