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安倍首相が“絶対NO”の石破茂首相誕生も現実味…二階幹事長の変節、政権内の対立先鋭化

文=編集部
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「石破しげる 公式ホームページ」より

 自民党の二階俊博幹事長と石破茂元幹事長の急接近が、永田町でちょっとした話題だ。

 6月8日、二階氏が今年9月に開かれる石破派の政治資金パーティーの講師を引き受けることを快諾。これまでは派閥領袖の石破氏自身が講師を務めてきたため、石破氏が「ポスト安倍」を見据えて二階氏に秋波を送ったとみられるが、それを安倍政権を支える二階氏が即座に引き受けたことに驚きの声が上がっている。

「安倍首相は自分の後釜に石破さんが就くことだけは、絶対にNOなのです。自民党総裁に返り咲いた2012年の総裁選の際、党員票では石破さんに負けたことを忘れていない。それで、石破派はずっと非主流派として冷や飯を食わされてきた。安倍首相はポスト安倍に岸田文雄政調会長を想定してきた。岸田氏はコロナ対策などで評判がイマイチで、安倍首相が頭を抱えているのは間違いないが、それでも細田派(安倍首相)―麻生派―二階派で主流派を形成してきたのに、二階派は離れるのだろうか」(細田派議員)

 二階氏は石破派パーティーの講師を受けた理由について同日の記者会見で聞かれると、「要請があれば喜んで行くのが幹事長の仕事」と特別視を否定しつつも、石破氏について「高みを目指してほしい期待の星のひとりだ」と持ち上げた。その一方で、1週前の1日の会見では、安倍首相の4選について「総裁から積極的にやりたい、という表明があって支援すべきであって、私のほうから『総理いかがでございましょうか』と伺いたてていくようなものではない」とトーンダウンしていた。今年3月には「国際的にも信用がある。続投させることが大事」とむしろ安倍4選を推進していたから、たいそう様変わりである。

 二階氏の「変節」に何があるのか。ポスト安倍を問う世論調査は石破氏がトップで人気が高い。一方、内閣支持率が下落傾向で世論は安倍首相に飽きがきている。そうした空気を読んだ動きなのか。

「もちろんポスト安倍で主導権を握ろうという思惑はあるでしょうが、それよりも、直近に予定される内閣改造・党役員人事での『幹事長ポスト』をめぐる駆け引きですよ」(自民党ベテラン議員)

 1年任期の自民党の役員人事は通常、9月に行われる。今年もそのスケジュールになるとみられているが、どうやら安倍首相は二階氏を幹事長から外そうとしているようなのだ。これを察知した二階氏が安倍首相に揺さぶりをかけている、というわけだ。

「安倍・麻生vs.菅・二階」

 実は「二階外し」は昨年9月の役員人事でも画策された。安倍首相は岸田氏を幹事長にすべく、二階氏に副総裁のポストを提示。しかし、二階氏から連立を組む公明党と自身のパイプの強さをちらつかせられ、政権運営に支障が出る恐れを危惧して、二階外しを断念した経緯がある。

 二階氏はその時の恨みを忘れていないし、もちろん、選挙の公認権に影響力を行使でき、党の資金も自由に使える幹事長ポストを絶対に手放したくない。二階氏と石破氏の接近の裏で、幹事長人事をめぐる抗争が始まっているということだ。

 そんななか、安倍首相は10日、麻生太郎副総理兼財務相と2人きりで1時間にわたって首相官邸で会談した。国会会期中、それも官邸でこの長時間は異例で、解散総選挙の時期やポスト安倍について話し合われたのではないか、との憶測を呼んでいる。

 安倍政権は菅義偉官房長官、麻生氏、二階氏という三者が屋台骨なってきた。しかし、すでに安倍首相と菅氏の関係は冷え切っていて「官邸内別居」が囁かれている。その菅氏は二階氏とは連絡を取り合う良好な関係。つまり、政権は「安倍・麻生vs.菅・二階」に真っ二つで、そこに石破氏が絡む構図になっているのである。

 秋の自民党人事、ポスト安倍、解散総選挙を睨んで、政局はますますキナ臭くなりそうだ。

(文=編集部)

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