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RIZAP、新型コロナ直撃で巨額赤字…主力のジム事業も衰退危機、傘下企業も軒並み苦境

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

傘下企業も軒並み厳しい状況に

 主力のジム事業だけではなく、M&A(合併・買収)で傘下に収めた企業も厳しい状況にある。RIZAPはこれまで経営不振の企業を買い漁り、それらを立て直すことで事業拡大と業績拡大を図る戦略をとってきた。だが、立て直しはうまくいかず、19年3月期に194億円もの最終赤字を余儀なくされた。

 ただ、20年3月期は不採算事業の撤退やてこ入れが一定程度功を奏し、収益性は上向きつつあった。子会社でフリーペーパー発行のぱどや、アパレルの三鈴を売却するなどして不採算事業の撤退を進めた。

 その一方で、手元に残した企業のてこ入れで成果が出たところもあった。

 カジュアル衣料品販売のジーンズメイトは、不採算店の閉鎖を進めるなどして収益性は改善。18年3月期に赤字だった最終損益は、19年3月期には黒字を達成している。このようにRIZAPによる立て直しで業績が上向いた企業は少なくなかった。

 しかし、新型コロナの影響を受け、傘下企業の多くは収益が悪化。一時グループ全体の7割の店舗が休業に追い込まれた。ジーンズメイトは新型コロナの世界的な流行の影響で、取り込みを強化していたインバウンド(訪日外国人)需要が急減したほか、国内における外出自粛や店舗の臨時休業、営業時間の短縮などで売り上げが激減。それにより、20年3月期の最終損益は8500万円の黒字を見込んでいたが、3700万円の赤字(前期は1900万円の黒字)に転落した。

 雑貨店運営のHAPiNSやゲーム・CD販売のワンダーコーポレーション、補正下着の販売や結婚式場の運営などを手がけるMRKホールディングスなども新型コロナの影響で業績は計画を下回った。

 もっとも、傘下各社における電子商取引(EC)の伸びが、新型コロナの影響による売り上げの落ち込みをある程度補っているので、悲観一色というわけではない。アパレルのアンティローザはECを強化した結果、20年3月期の売上高は前期比2倍に伸び、利益も大幅に増えたという。新型コロナの影響で一時全店の休業を余儀なくされたが、ECで補うことができた。

 雑貨を手がけるイデアインターナショナルも、EC強化が功を奏している。19年7月~20年3月期のEC売上高は、過去最高を記録するほど好調だった。イデアも新型コロナの影響で一時全店の休業を余儀なくされたが、ECが店舗の落ち込みを補い、総売上高は前年並みを実現している。

 だが、全体としては、厳しいと言わざるを得ない。やはり本業のジムが、新型コロナによって落ち込んでいることが大きいだろう。今後は非対面型サービスで補うとはいえ、限界がある。メインは店舗でのトレーニングとなるが、3密懸念に加え消費の冷え込みでRIZAPジムのような高額商品・サービスへの支出を減らす動きが強まることが予想される。会員数の大幅減少は避けられないだろう。もし本業が衰退してしまえば、傘下企業の再生も危うい。

 RIZAPは今、正念場を迎えている。

(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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