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松崎のり子「誰が貯めに金は成る」

コロナ時代の家選びはどう変わる?在宅勤務で「都心にマイホーム」の常識が一変か

文=松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

 加えて、多くのビジネスパーソンが感じていることだろうが、この先、在宅勤務や時差出勤がメインになれば、優先順位は「会社まで近い」ことより「在宅で仕事できる十分なスペースがある」ことが先にくるだろう。

 教育面もそうだ。これまでは高水準の教育を子どもに受けさせるためには大都市周辺に住む必要があったが、もしオンライン学習が本格導入されれば、日本全国どこへでも質の高い授業が提供されるようになる。北海道在住でも沖縄在住でも大都市の有名校にお受験し、そのままオンライン在学できる時代が来るかもしれない。

コロナ禍で「住みたい街」は変わるのか?

 LIFULL HOME’Sでは、年に1回「住みたい街ランキング」を発表している。これはイメージによる「住んでみたい街」ではなく、実際に自社サイトの検索・問い合わせ数から算出した“実際に探されている街・駅”のランキングだ。

 2020年2月に発表されたランキングは19年のデータによるもので、コロナの影響はまだなかったため、東京オリンピック・パラリンピック会場で話題だった勝どきエリアがトップになっている。

 中山氏によると、近年は都心マンションの価格が高騰しすぎて、戸塚や八王子、船橋が上位にきていたこともあったが、消費税増税対策の優遇策もあり、都心回帰の動きが見えていたところだという。しかし、コロナ禍でまたランキングにも変動が起きそうだ。

「19年のデータではランキングを落とした八王子ですが、18年では3位です。なぜかといえば、駅周辺が再開発されて徒歩圏に新築マンションが分譲されているんですね。距離的には三鷹駅のほうが都心に近いけど、そこからバスに乗り換えて15分……という物件より、かえってアクセスがいい。トータルの通勤時間も、それほど変わらないかもしれない。それなら十分、八王子でを買う経済合理性があるというわけです」(同)

 さらに、言わずもがなのリモートワーク推奨で、購入条件はさらに一変しそうだ。もし、週に1回しか会社に来なくてよろしい、あとは全部オンラインでとなれば、都心まで片道2時間だろうが、極端に言うなら新幹線通勤だろうが、自分が快適だと思えるエリアで暮らすことができる。

 都心でマイホームを買うならマンションなど集合住宅が第一の選択肢になるが、郊外なら一戸建ても夢ではないし、書斎が確保できるだけの広めの家が買える可能性も高まる。今後は、ワークスペースを設置するリフォームや収納の一部をデスクスペースに変更できる物件なども、どんどん増えてくるのではないだろうか。

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

松崎のり子/消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。生活情報誌等の雑誌編集者として20年以上、マネー記事を担当。「貯め上手な人」「貯められない人」の家計とライフスタイルを取材・分析した経験から、貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い方にあるとの視点で、貯蓄・節約アドバイスを行う。また、節約愛好家「激★やす子」のペンネームでも活躍中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)。
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