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氷河期世代の格差の実態…非正規社員の既婚率は公務員の7分の1、女性の“出産格差”も

文=三浦展/カルチャースタディーズ研究所代表
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氷河期世代の格差

 本書はこうした時々刻々と変化するこうした状況を踏まえながら、まず氷河期世代の格差を検証した。氷河期世代は大卒時に正規雇用になれず、その後ずっと非正規で働いてきた人々が多いので、正規雇用になれて40代になった人と、ずっと非正規で40代になった人では収入、貯蓄などにかなりの格差がある。それを三菱総合研究所の3万人アンケートによって統計的に調べたのである。

 その結果、男性の正規雇用では階層意識が「中の上」以上が15%、「中の下」以下が44%なのに、「非正規」では「中の上」以上は5%しかなく、「中の下」以下は68%もいた。また公務員は「中の上」以上が25%もあり、「中の下」以下は24%しかなかった。さらに夫婦共に公務員である人では「中の上」以上が33%にもなる。公務員を最近「上級国民」と呼ぶ傾向があるが、この格差を見てはそれも当然と思える。

 非正規で年収が低い男性は結婚をしにくい傾向があり、そのためますます下流が増える傾向がある。たとえば男性の場合、年収が400万円以上になって既婚が半数を超える。非正規で400万円以上を稼ぐには難しいだろう。

 学歴別では4大だと既婚が半数を超えるが、短大・専門では既婚と離別を合計して52%であり、高卒以下では6割が未婚である。

 また職業別では正規雇用は64%が既婚、公務員は76%が既婚だが、非正規は86%が未婚であり、既婚は10%しかなく、離別が4%いる。14%が結婚したがそのうち3割が離婚したことになる。

 他方、女性が結婚できる条件を年収別に見ることは難しい。結婚前は高収入をとっていても結婚後は専業主婦とか非正規雇用になったりするため年収が下がる人が多いからである。

正規社員と非正規社員の出産格差

 そこで女性については、既婚以外の女性について、現在交際している異性がいるかを集計した。交際しているから結婚するとは限らないが、交際せずにいきなり結婚することは考えにくいので、交際率が結婚可能性と比例するといえるはずだ。

 いろいろ集計すると、交際率は職業別にやや差があり、正規雇用女性の28%が交際しているのに対して、非正規雇用女性は22%であるなど、正規雇用が有利である。

 それより差が付くのは出産である。25〜39歳の既婚女性について、5年以内に子供をもうけると思うかを集計した。夫婦合計年収別では600万円以上だと子供をもうけていると思う人が36〜38%と多い。

 自分の学歴では4大で38%、修士・博士で42%なのに、高卒以下では24%と格差が激しい。夫の学歴ではやはり4大で36%、修士・博士で44%と高く、高卒以下では26%と格差がある。

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