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としまえん閉園、西武園ゆうえんちはリニューアル…西武の狙い&令和のテーマパーク事情

文=真島加代/清談社

西武園ゆうえんちは21年にリニューアル

 西武グループは、もうひとつの遊園地に関しても新たな施策を打ち出している。埼玉県所沢市の「西武園ゆうえんち」のリニューアルオープンだ。

「20年は西武園ゆうえんちにとって開園70周年という節目の年。としまえんの閉園と西武園ゆうえんちのリニューアルは、どちらが先に決まったのかはわかりませんが、大きな改革は同時に進めるほうが効率的といわれています」(同)

 西武園ゆうえんちのリニューアルは、USJ再建の立役者・森岡毅氏が手がける。総事業費100億円をかけて、21年に“懐かしさ”や“古さ”をコンセプトにしたテーマパークに生まれ変わる予定だ。

「1960年代の日本をコンセプトにしているようなので、高齢者向けの遊園地という切り口でも、ある程度の集客は見込めるはず。また、インバウンドの足を所沢に向かわせるきっかけにもなると思います。特に訪日客のリピーターはTDRやお台場など定番の観光地には行き尽くしているので、目新しいテーマパークとして西武園ゆうえんちに食いつく可能性もありますね」(同)

 所沢は都内からバスで2時間弱。観光ツアーに組み込めない距離ではない。西武線の拠点のひとつでもある所沢を盛り上げる意図もあるようだ。

「閉園が決まったとしまえんには、100年以上の歴史を持つメリーゴーラウンド『カルーセルエルドラド』があります。貴重な文化遺産として『機械遺産』にも選ばれている施設なので、解体される可能性は低いです。閉園を機に、メリーゴーラウンドを西武園ゆうえんちに移設してもおもしろいですよね」(同)

としまえん閉園、西武園ゆうえんちはリニューアル…西武の狙い&令和のテーマパーク事情の画像4
夜には幻想的な雰囲気を醸し出す「カルーセルエルドラド」

コロナショックも“軽症”で済んだ遊園地

 新型コロナの影響は、遊園地をはじめとするレジャー施設も直撃した。緊急事態宣言の解除を受けて営業を再開する施設が多いものの、今夏はプールの営業が危ぶまれるなど、大きな打撃が続くことは必至だ。

「確かにレジャー産業は軒並み大打撃を受けていますが、遊園地の経済的な被害は、ほかのレジャー産業に比べればまだましなほうです。個別の事情はあるものの、遊園地は自社の土地で営業をしていて、アトラクション設備の減価償却も済んでいる。毎月の賃料が発生しないという点は、ほかのアミューズメント施設よりも有利だと思います」(同)

 たとえば、商業施設のテナントとして入っているシネマコンプレックスは施設の休業に伴って臨時休館していたケースが多い。それでも、毎月の賃料は払わなければならず、無収入のまま支出がかさむという悲惨な状況に陥っていた、と鈴木氏。

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