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ほっともっと、新型コロナ下で復調の兆し→大黒柱のやよい軒が低迷、全社業績は悪化

文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント

新型コロナ直撃でほっともっとは上向き

 こうした施策で、ほっともっとの業績は上向くようになった。そんななかで新型コロナが直撃。それにより業績が落ち込むかにみえたが、先述したとおり新型コロナ以降は好調を維持している。既存店売上高は3月が0.7%減とマイナスだったものの、4月が1.9%増、5月が6.5%増と伸びたのだ。

 ほっともっとのようにテイクアウトが強い外食店の多くは、売り上げが落ちるどころか伸びている。たとえば、マクドナルドは3月の既存店売上高が0.1%減だったものの、4月が6.5%増、5月が15.2%増と大きく伸びている。ケンタッキーフライドチキンに至っては、3月が8.2%増、4月が 33.1%増、5月が37.6%増と驚異的な伸びを実現している。マックとケンタッキーは、もともとテイクアウト需要が高いが、新型コロナでさらに高まった。このように、テイクアウト需要が強い外食店は新型コロナが追い風となっている。ほっともっとも同様に、今後のさらなる伸びが期待される。

 もっとも、プレナスとしては新型コロナは必ずしも歓迎できるものではない。ほっともっとの売り上げ増が見込める一方で、店内飲食型の定食チェーン「やよい軒」の売り上げが大きく落ち込むためだ。やよい軒の既存店売上高は、3月が16.8%減、4月が47.2%減、5月が45%減と大きく落ち込んでいる。今後の落ち込みも懸念される。

 ほっともっとは先述の大量閉店で規模縮小に転じたが、やよい軒は店舗数が増えており、成長途上にある。また、近年のやよい軒は利益貢献が大きい。20年2月期のやよい軒の売上高は304億円で、ほっともっと(1059億円)の3分の1程度にすぎないが、営業利益は8億9600万円と、ほっともっと(3億200万円)を上回る。このように利益貢献の大きいやよい軒が落ち込んでしまうと、ほっともっとだけでは補いきれず、全社業績の悪化が懸念される。

 全社業績の悪化を最小限に抑えるためにも、ほっともっとのさらなる収益向上が欠かせない。そこでプレナスは、内製化をさらに進める考えだ。また、若年層のライトユーザーを対象とした販促を展開するなどして客層を広げ、売り上げ増を狙う。デリバリーも強化する。21年2月期の1年間でサービス導入店舗数を2.8倍の859店に拡大し、売上高を6.5倍の18億5400万円に増やす。

 こうした施策で、ほっともっとの収益をどこまで上げられるかに関心が集まる。

(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

●佐藤昌司 店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。企業研修講師。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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