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東京都知事選“史上”に残る強烈&過激な候補者7人…外山恒一、赤尾敏、太田竜

文=深笛義也/ライター
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東郷健

 1979年、1983年、1987年、1991年と4回、立候補したのは、東郷健(2012年に逝去)。同性愛者であることをカミングアウトし、ゲイバーを経営したり、ゲイ雑誌を発刊。レズビアン、ゲイ、障害者などへの差別をなくすことを目的とする、雑民党を結成した。東郷は国政選挙にも何度も挑戦。宣伝カーから「●、●の東郷健がまいりました」と叫び、道行く人を驚かせた。

 国政選挙も含めて政見放送では「●のどこが悪い。●のどこが恥ずかしい。男が男愛してなぜ悪い。女が女を愛してなぜ悪い。恥ずかしいのは自分に嘘をついて生きることや。恥ずかしいのは人を愛されへんということや」「きみたちのスカッドミサイルを30世紀に向かって放射精よ」「アングロサクソンのカムカムから日本人のイクイクにしなければならない」などと語った。

 都知事選で東郷の獲得票が最も多かったのは1983年で、6392票。12人中7位であった。

ドクター中松

 ドクター・中松(中松義郎)は、1991年、1999年、2003年、2007年、2011年、2012年、2014年と7回立候補している。中学時代に灯油ポンプを発明した中松は、底が板バネになっていて高くジャンプできる「フライングシューズ」、男女ともに性感度が3倍になるという香水「ラブジェット」、スマートフォンを手の甲に固定できる「スマ手」などを発明している。中松はフロッピーディスクの発明者と思われていることも多いが、これはIBMが独自に開発したもののようだ。

 何度も立候補する理由を中松は、2014年の政見放送で、終戦時の対米和平交渉を行った藤村義朗海軍中佐から「君がリーダーになって日本を復興させてほしい」と言われたから、それに従って生きてきたからだと語っている。徳洲会グループからの不透明な借入金問題を追及されて、猪瀬直樹知事辞任を受けての、2014年都知事選。中松は自分がクリーンである理由を、直参旗本の家系であるからと説明している。原子力発電に変わるエネルギーの発明についても言及した。

 6月26日で92歳の誕生日を迎えるドクター・中松は健在だ。新型コロナウイルス対策に没頭していた模様。アルコールによる除菌は危険だとして、「NAKAMAGIC(なかマジック)ウォッシュ」を発表した。今回の都知事選への立候補は見送ったようだ。

 中松が最も多く票を獲得したのは2003年で、10万9091票。5人中4位であった。

マック赤坂

 国政選挙や大阪市長選にも立候補しているマック赤坂は、2011年、2012年、2014年、2016年と4回、都知事選に立候補している。京都大学農学部卒業後、伊藤忠商事に勤めた後、貿易会社を設立、民間セラピスト、美容研究家、一般財団法人スマイルセラピー協会会長、スマイル党総裁である。

 恒久平和と弱者救済を掲げるスマイル党はマニフェストに、「教育革命!!」「うつ病革命!!」「接客革命!!」「恋愛革命!!」「税制革命!!」「選挙革命!!」「議員・公務員革命!!」「幸福革命!!」の8大革命を挙げている。

 2014年の政見放送では、タンクトップに天使の輪と羽根を付けたコスチュームで登場。「テレビの前のみなさん、スマイル! マック赤坂は東京都民を救うためにエンジェルになってやって参りました。スマイルセラピーは何かと言いますと、スマイルをメイクすることであなたの外見力をアップして、心の持ち方はマイナスからプラス、ネガティブからポジティブに切り替えるのがスマイルセラピーです」と語った。

 それまでもさまざまなコスチュームで政見放送をしていた、マック赤坂。2016年もどんな政見放送をするのだろうとマニアたちは期待したが、普通の背広姿だった。

 赤坂が最も多く票を獲得したのは2016年で、5万1056票。21人中6位だった。ちなみに赤坂は昨年4月、東京・港区議会選挙で当選し、議員になるという悲願を果たした。

 こうして振り返ってみると、選挙というのは、誰が勝つかだけが問題ではないことに気づかされる。今回の都知事選で、候補者たちが何を語るのか、耳を傾けたい。

(文=深笛義也/ライター)

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